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2019年上半期リリースの、日本のインディー・クィア・ミュージックのシングル&EPのレビューを公開。

もうすぐ、2019年も半分が終わろうとしています。

そこで今回は、2019年1月から5月末日までのあいだに制式リリースされた、日本のインディーのクィア・ミュージシャンによるシングル、および EP の中から、特に12作品を選んで、そのレビューを『Queer Music Experience.』に公開しました。

その12本のレビューのラインナップは、『Queer Music Experience.』の更新履歴を参照してください。

ちなみに。

2019年の上半期を総括する目的でレビューを書くのなら、5月末で区切るのではなく、6月にリリースされた作品も、対象に含めるべきじゃね? と思われた方も多いと思います。

それをしなかった理由は、私が遅筆だからです。

レビューの公開時期を6月末に設定した場合、6月中にリリースされた音源のレビューは、私のスピードでは、とうてい執筆が間に合わないからです。

しょうもない理由ですいません。

で、ですね。

このブログでは、今回私がレビューを書くにあたって、どうしてその12作品を特に選んだのか、その理由について記します。

今回チョイスした12作品は、「2019年上半期のベスト12」という意味で選んだのではありません。

2019年上半期の、日本のインディーのクィア・ミュージシャンのみなさんの動向のうち、私が興味深く感じたもののひとつは、2019年よりも以前からすでにライブ活動の実績があったり、あるいは SoundCloud や YouTube でオリジナルの楽曲をすでにいくつも公開していて、しかし制式音源の配信リリースはおこなっていなかった、というミュージシャンが、今年に入ってから、制式シングルや EP を配信リリースするという動きが相次いだことでした。

今回私がレビューを書いた12作品は、いずれもそれに該当する作品です。

もちろん、そのようにリリースのタイミングが今年の上半期に集中したのは、特別な理由があるわけではなく、単なる偶然の一致なんだろうとは思います。

が。

しかし、そうした偶然の中にこそ、「時代の必然」が潜んでいたりすることは、めずらしくないでしょ?

たとえば、今日のゲイリブ運動の原点であるストーンウォールの反乱と、カウンターカルチャーの頂点であるウッドストックフェスティバルは、同じ1969年の出来事だったりします。

このふたつの出来事のあいだに、因果関係はまったくないんだけれど、でも、なんとなく、同じ匂いはするでしょ?

それがつまり、「時代の必然」ということなんだと思うんです。

もちろん、学問上の見地からいえば、「時代の必然」などという考え方は、偶然の一致に基づいた、ナンセンスな考え方なんだろうけれども、あいにく私は職業研究者ではないので、偶然の一致にもなんらかの意味があると思ってます。

そして、その偶然の一致が、もしも「時代の必然」の表れであるならば、それを記録して遺すことにも、意味があると思うのです。

そこで、2019年上半期の総括としてレビューを書くにあたっては、特にこの12作品を選んだ、というわけです。



それから。

今回この12作品のレビューを書いていて思ったことなんですが、いくつかの楽曲に共通して見られる傾向というのは、やっぱりありますよね。

たとえば、自己肯定をテーマとした楽曲は、2000年代のゲイ・インディーズ・ムーブメントのころにも、多く見られたテーマなんですが、そのころの自己肯定テーマの楽曲は、「ゲイである自分を肯定しよう」「自分のことを好きになろう」という、プライド・ソングの体裁がとられていたんですね。

一方、2019年にリリースされた、クィア・ミュージシャンによる自己肯定ソングは、自身のセクシュアリティを肯定しようと呼びかけているのではなく、社会の同調圧力に抗する形で、「私は私」「君は君のままでいい」と歌われるものが中心になっている、と感じました。

こうした傾向の変化から読み取れるのは、2000年代のころに比べると、現在はセクシュアル・マイノリティへの理解が大きく進んだ一方で、弱者に対する社会の同調圧力は、むしろ以前よりも強くなっている、ということだと思います。

もうひとつ興味深い傾向は、シスジェンダーのゲイ男性シンガーによるクロス=ジェンダー・パフォーマンスの例が増えた、ということですね。

2000年代のゲイ・インディーズ・ムーブメントにおけるクロス=ジェンダー・パフォーマンスは、類型的なジェンダーを批判するものとしての戯画的表現であるか、あるいは女性アイドル歌謡のパロディとしておこなわれる場合がほとんどでした。

しかし、2019年現在は、シスジェンダーのゲイ男性シンガーが、本来の意味でのクロス=ジェンダー・パフォーマンスをおこなうようになっている。この変化も、非常に興味深い傾向でした。

まあ、分析はこのくらいにして。

今回は、すべてのレビューに、Spotify のプレーヤーも埋め込みました。ミュージック・ビデオが制作されている楽曲については、その動画も併せて埋め込みました。

なので、今回採りあげたミュージシャンの名前を知らないという方にも、ライナーノーツを読みながら音源を聴くような感覚で、今回の12作品のレビューを読んでもらいたいです。

どうか、よろしくお願いいたします。
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親サイトの『Queer Music Experience.』を、全面リニューアルしました。

すっかりご無沙汰しております。誠に申し訳ありません。

唐突ですが、親サイトの『Queer Music Experience.』を、開設14年目にして、初めて全面リニューアルしました。

当初は、HTML ファイルのバージョンを、XML1.0から HTML5.0にアップするだけで、サイトデザインまで変更するつもりはなかったのですが、以下のような流れで、結局は全面リニューアルに至りました。

1)XML1.0から HTML5.0に書き換えるのに伴い、今までのコードの書き方を見直してみる。

2)そうすると、コードの書き方に統一性がなかったり、タグの意味を無視していたりしたので、全面的に書き直すことにする。

3)そうすると、結局はサイトのデザインも変更せざるを得ない破目になる。

4)どうせデザインを変更するんだったら、今までは難しそうだったので敬遠して実装していなかったもの(メニューバーとか JavaScript を用いたサイト内検索とか Web フォントとかファビコンとか)も実装することに。

5)しかし、しょせんは素人の悲しさ、レスポンシブ・デザインは現時点では見送り。

……という感じです(ちなみに私はテキストエディタでコードを書いてサイトを作ってます)。



本当は、リニューアル・オープンはもっとずっと先のつもりでした。というのも、掲載している情報のアップデートが、まだまだ不十分なままなので。

ただ、今月の13日に新宿 Live Freak にて開催された、ANGEN さんの一周忌ライブ・イベント『ANGEN forever』に足を運んで、そこで主催側でいらした小山内さんと、久しぶりにたくさんお話をさせていただいて、いろいろと思うところがあったので、こうしてリニューアル・オープンを前倒しすることに決めました。

件の『ANGEN forever』の観覧記も、追々書くつもりです。



それから、今回の全面リニューアルに伴って、姿を消したコンテンツがいくつかありますが、他のコンテンツとファイルを統合したり、ファイル名やディレクトリを変更したりしただけで、完全に消去してしまったコンテンツはないです。

記録というものは、保存して共有して、そこで初めて存在価値が生じるものだと思うので。



そして、新たに公開を開始したコンテンツは、以下のとおりです。



《Queer Musicians -Japanese-》

石谷嘉章

いちばんかっこ

CRAZY COLOR’s

SHIUN

SQUARED

鈴木優吾

ちそん

撫子~ NADESHIKO ~

M.I.L.F

mocky

LOOSE36

The Roots

レーズンパン

LOY



《Queer Music Review - Disc Review -》

スコット・マシュー/Scott Matthew



《Queer Music Review - Live Review -》

第2回どろぶねチャリティーライブ(2011年9月11日 at 新宿二丁目 鉄板女酒場どろぶね)

All Days Are Nights: Songs For Lulu 東京公演(2010年10月5日 at 水道橋 JCB HALL)



《Column》

ゲイ・ライブ・イベント入場者特典グッズ・コレクション



新規公開といっても、ほとんどが他所のウェブマガジンに寄稿したものの復刻であったり、mixi 日記として書いたものの復刻であったり、あるいはクィア・ミュージシャンのリンク集兼インデックスに記載していた備考内容を記事として独立させたりしただけで、純然たる書下ろしはほとんどないです。

それと、海外のクィア・ミュージシャンのインデックスページも、日本のミュージシャンのインデックスページのように、リンク集も兼ねたものに作り変えて、そこに掲載しているミュージシャンの数を、大幅に増やしました。

ただ、先にも書いたとおり、そこに掲載している情報のアップデートが、まだまだ不十分なので、随時アップデート作業を進めていきます。

とり急ぎ、まずはご報告まで。


日本の LGBT ミュージシャンのインデックス・ページをリニューアルしました。

こちらのブログではまたもやご無沙汰してしまいました。申し訳ありません。藤嶋です。



さて、この度、Queer Music Experience.本編のほうで、日本の LGBT ミュージシャンの経歴を紹介する『Queer Musicians. - Japanese -』のインデックス・ページを、大幅にリニューアルいたしました。

こんな感じです。
↓↓↓

http://queermusicexperience.web.fc2.com/queer_musicians/japanese_index.html

今回のこのリニューアルは、以前からあった日本の LGBT ミュージシャンのバイオグラフィーのインデックスに、リンク集としての機能も兼ね備えるようにするためのものです。

なんでそんなことを思いついたのかというと。

私は、日本の LGBT ミュージシャンのそれぞれの公式サイトなり関連サイトなりを周回する際に、自分で作成した Queer Music Experience.を基点として使うことが多いんです。

で、そういう使い方をしているうちに、インデックス・ページから各ミュージシャンの公式サイトなり関連サイトなりに直接ジャンプできたほうが、もっと便利だよなー、と思うようになりまして。

それが、今回のリニューアルの動機です。

んでもって、インデックス・ページをリンク集も兼ねたものにするのであれば。

まだ記事を書く準備(リサーチ)が充分にはできていないミュージシャンについても、その公式サイトや関連サイトの URL を載せてしまったほうが、より便利だなー、と。

さらに加えて、私の先代の PC のブラウザのブックマークのバックアップに残っている、ひとむかし前のゲイ・インディーズ・ミュージシャンの公式サイトや関連サイトの URL も、併せて載せておいたほうが、史料としても充実するかなー、と。

リンク集としての機能の充実だけを追及すれば、リンクの切れている URL は無駄で余分で不要なものになるでしょうけれども、別の見方をすれば、リンクの切れた URL というのは、ある事物なり事柄なりの存在と足跡とを示す、立派な「史料」にもなります。

そんな感じで出来上がったのが、この新生インデックス・ページ兼、リンク集です。

名前を掲載しているミュージシャンの数も、一気に激増。

とはいえ。

ここに名前のあるミュージシャンたちの中には、その活動実績が、たとえばCDを一枚リリースしただけ、とか、ゲイ・ライヴ・イヴェントにただ一度出演しただけ、というミュージシャンなども、数多く含まれています。

ていうか、たぶんそういうミュージシャンのほうが、数が多いかも。

その意味で、このインデックス兼リンク集は、「この日本にも、これだけ大勢の LGBT ミュージシャンがいるんですよー」ということを示すものではないです。

だからといって、「日本の LGBT ミュージシャンを漏れなく完全に網羅したもの」というわけでもないです。

このインデックス兼リンク集は、あくまでも、「藤嶋隆樹という一個人が、その存在を把握している日本の LGBT ミュージシャンの一覧」です。

つまり、極めて個人的な性質のコンテンツです。

そもそも、たった一人の力で、この種のリストの決定版を作るなんてことは、どだい不可能な話です。一個人のリサーチ能力とかアンテナの感度なんて、たかが知れている。たとえそれがプロの仕事であったとしても、限界というものは絶対にある。

だから、このインデックス兼リンク集は、永遠に未完成のままです。

未完成だからこそ、今後も随時更新されていきます。

日本のインディー・ゲイ・ミュージシャンに詳しいかたが、このインデックス兼リンク集を見て、「あれ? あのミュージシャン(あるいはバンド)の名前が載ってないぞ?」と感じる場合も、当然あるだろうと思います。が、それはあくまでも、その時点での話であって、名前が載っていないこと自体に深い意味があるわけではありません。

あと、個別のプロフィール記事が作成されているミュージシャンと、そうでないミュージシャンとがありますが、これもやはり、このインデックス兼リンク集は永遠に作成中のコンテンツなのだということであって、扱いに差をつけているわけでは全然ないです。

このインデックス兼リンク集は、未来永劫、未完成のままです。



それから、今回のリニューアルでは、掲載されている情報の鮮度を明らかにしておくために、各ミュージシャンの記事の最終更新日と、リンク切れが発生していないかどうかの確認を行なった最新の年月日も、併せて掲載するようにしました。

既にサイトが閉鎖されてリンクが切れている URL についても、今回のリニューアルにあたっては、今一度、すべてを改めて確認したんです、わざわざ。

するとですねー、意外にも、リンクが復活しているケースが複数あったんですよねー。

活動を休止していたミュージシャン(バンド)が、その活動を再開したことによって、それまで閉鎖されていた公式サイトも、従来の URL のままで再度オープンしていた、というケースが、結構あったりするんですよ。

そんなわけで、現在は閉鎖されているサイトの URL も、定期的にリンク確認を行なっていく予定です。



そして。

今回のリニューアルに併せまして、計47組の LGBT ミュージシャンのプロフィール記事を、一気にまとめて、どーんと公開を開始しました。

といっても、どの記事も内容は非常にシンプルです。中にはワン・センテンスだけの記事もあります。

今回まとめてプロフィール記事を公開させてもらったミュージシャンは、先述したように、その活動が瞬間的なものであったり、あるいは活動期間が短かったりしたミュージシャンが中心となっています。

ゆえに、そのプロフィール記事の内容も、非常にシンプルなものになっています。

中には現在進行形のミュージシャンも一部含まれてはいますが、現在進行形であるがゆえに、やはりシンプルな内容になっています。その内容は追々書き足されていくことになると思います。

というわけで、今回プロフィール記事をアップした、計47組のミュージシャンの名前は、以下の通りです。(五十音順)



@rk(アーク)

相木累

ASHTRAY

ultimate

an-guy (アンガイ)

Whisper Girls

うしろめ隊

GRAND STYLE

KOJI

小秀

斉藤ぷりん

SILENT-ARK

Jiggy Jack

女帝

Swingin' Panda Orchestra

S-rush

solla

ZOL

DAI

Tubby Tricks

Chubby Chaser

DB3

t:head

Tetsuji

とまと

Don-H+Cazz

The Nudes

Next-Generation

HSM TAKA

Hi Re:Turn (ハイ・リターン)

82

Happy Hour

PAN+CIRA (パンチラ)

HIROKI

HIROSHI

Beauty & Beast

Five-Fourteen

フトリギミ

紅桜

BOUZ

Mt.RUSH

みそぢのけんちゃん。

MUSIC KILLER D.T.S.P

メレンゲパンチ

Yoshi

Yoshida

Ryo



これら47組ぶんの記事も含めた今回のリニューアルは、実は本来、Queer Music Experience.開設10周年記念事業として(笑)、一昨年から準備を進めていて、去年のうちに公開しようと思っていたものなんです。

ところが、昨年は父の病気のことがあり、サイトの更新まではとても手が回らない状況だったので、こうして一年遅れの公開となってしまいました。

今回新しくアップしたプロフィール記事のうち、本文の最終更新日が2014年のものになっている記事がいくつかありますが、それは一昨年の段階で既に公開準備が整っていたにもかかわらず、今回のリニューアルに併せてアップロードしようとしていたせいで、公開するのが著しく遅れてしまった記事です。



というわけで、今回のブログ版 Q.M.E.は、Queer Music Experience.本編の更新のお知らせでした。



2011年10月のライヴの観覧記を、蔵出し初公開しました。

 当ブログの今年最初の記事である、1月4日付の記事では、親サイトの Queer Music Experience.のほうで昨年末から地道に更新を続けている、ライヴ観覧記の復刻掲載について記しました。それまではソーシャル・ネットの mixi のみでの公開となってしまっていた過去のライヴ観覧記を、Queer Music Experience.に改めて掲載し直しています。

 それらのライヴ観覧記が、どうしてこれまでは mixi のみの公開になっていたのかというと、当初はそれらを、より詳細な内容にリライトして、後日 Queer Music Experience.に掲載し直す予定だったのですが、私の体調不良や多忙などが理由で、リライトに着手できなかったり、あるいは着手してもフィニッシュには至らずに、そのままとなってしまっていたためです。

 特に2011年は、ライヴに足を運んだ機会そのものは多かったのですが、体調が優れなかったせいで、mixi の日記として簡略な観覧記を書いたはいいものの、それを Queer Music Experience.用に詳細にリライトするだけの体力や気力を欠いてしまっていて、2012年が明けて早々には、ついに入院という事態にまで至ってしまい、結局それっきりになってしまっていました。

 そのようにして埋もれさせてしまっていた不遇な観覧記たちに、こうやって改めて光を当てる作業を開始したのは、このブログの昨年(2013年)12月12日付の記事の執筆の際に、それら mixi のみの公開になってしまっていた過去のライヴ観覧記を、参照のために読み返してみたのがきっかけでした。

 書いた当時は暫定的な内容のつもりだった、それらのライヴ観覧記を、改めて読み返してみると、わざわざ詳細にリライトせずとも、既に十分、「日本のインディーのLGBTミュージックの記録」になっているな、と思ったのです。

 もともと Queer Music Experience.というサイトは、即時性が求められるニュース・サイトのつもりで立ち上げたものではありません。私が目指しているのは、あくまでも「LGBTミュージックの記録を残していく」、そのためのサイトです。

 それなのに、せっかく自分で書いた「日本のインディーのLGBTミュージックの記録」を、Queer Music Experience.に掲載しない状態を続けているのでは、わざわざサイトを開設した意味がない、と思いました。

 そこで、それら埋もれさせてしまっていた過去のライヴ観覧記を、日記としての性質が強い記述についてはカットしたり修正を加えたりした上で、改めて Queer Music Experience.に掲載するという作業を、昨年末から続けている、というわけなのです。



 そして、先日(2014年3月27日)にも、また新たに一つ、これは2011年10月10日に行なわれたライヴの観覧記を、Queer Music Experience.に掲載したのですが、この観覧記については、実は復刻掲載ではなく、mixi のほうでも未公開だった、蔵出しのライヴ観覧記です。

 このライヴについては、当日撮影した写真のほうは、既に mixi のフォトアルバムで公開を行なっていたのですが、観覧記のほうは全くの未公開でした。

 ただ、執筆そのものには着手していて、しかしフィニッシュには至らず、そのまま未公開となっていたものです。

 これはもう言い訳にしか聞こえないであろうことは承知の上で言うんですが、書き手としての私は、文章があとからあとから湯水のように湧いて出るというタイプではなくて、一つひとつの文章を、いちいち頭で考えながら、何度も何度も反芻した上でようやくひねり出す、という難産型なんですね。ゲイ雑誌の『G-men』に小説を掲載していただいていた時期にも、編集部のほうから誌上で「寡作な作家」と紹介されてしまうくらい(苦笑)、とにかくもう、他の先生がたに比べると、致命的に筆の進みが遅いタイプなんです。パーッと勢い良く文章を書けてしまうタイプではない。Twitter の140字でさえ、いちいちテキストエディタを起動して何度も書き直したりしているような人間なんです。

 だから、私にとって文章を書くという行為は、非常に楽しいものではあるし、生きがいと言ってもいいくらいのものなんだけれども、それと同時に、ものすごく消耗する作業でもあるんですね。

 そして2011年10月10日に行なわれたライヴの観覧記の執筆にあたっては、この時期の私の体調は、既に悪化の一途を辿っていて(なにせ2ヵ月後には入院となったくらいなので)、下書きを残すだけで精一杯だったんです。

 その下書きを基に、今回、蔵出しの初公開となったのが、2011年10月10日に阿佐ヶ谷 NEXT SUNDAY にて行なわれた、風太郎企画三十弾『祝日ラプソディ』の観覧記です。

 このライヴに出演なさっていた、自称「オカマのロックシンガー」の光悟さんがヴォーカリストを務めていらっしゃるグリゲアリアス亀さんは、ぜひとも Queer Music Experience.のほうに記録を残しておきたかったアーティストさんなんですよね。

 さすがに年単位の時間が経過しているので、ライヴの様子とか会場の空気を伝えるためのレポート記事として成立させるのには無理があったのですが、私がグリゲアリアス亀さんのパフォーマンスを観て感じた、当時の印象の、その根幹となっている部分については、私の中で風化はしていないので、それをかなり詳細に書き足しています。

 お読みになっていただけると、私は嬉しいです。



風太郎企画三十弾『祝日ラプソディ』(2011年10月10日 at 阿佐ヶ谷 NEXT SUNDAY)
2011年10月10日 グリゲアリアス亀



 というわけで、以上、親サイトの Queer Music Experience.の更新情報でした。


新年、あけましておめでとうございます。

 新年、あけましておめでとうございます。本年も、Queer Music Experience.と、このブログを、よろしくお願い申し上げます。

 さて、親サイトの Queer Music Experience.のほうでは、昨年の末から、これまではソーシャル・ネットの mixi のみで公開していた過去のライヴ観覧記の復刻掲載を始めています。

 ジェンダー研究やフェミニズム、クイアー・スタディーズといった学術的な関心に基づいて、このブログと Queer Music Experience.を常日頃からご覧になってくださっているという皆様(が、実は読者のかたがたの主流であるらしいということが、ここ数年でようやくわかってきました)におかれましては、海外のミュージシャンの話題や、国内のメジャー級のアーティストの話題のほうが、より関心が高いように、私には思われるのですが、ぜひ、こうした国内のLGBTのインディー・ライヴの観覧記も、ご覧になっていただけると、私は嬉しいです。

 というのも、こうしたインディー・ミュージシャンのかたたちの活動の中から透けて見える、「日本のLGBT事情」というものも、必ずあるはずだと、私は思うので。

 まあ、それはそうとして。

 あまりにも遅れ馳せに過ぎる、それらのライヴ観覧記が、どうしてこれまでは mixi のみの掲載となっていたかといいますと。

 元々は、暫定的な公開のつもりだったんですよね。

 より詳細な内容に後日リライトして、このブログに改めて掲載する、いわば予告篇のような、そういう心積もりだったんですね。

 ところが。

 2011年の夏頃から、本格的に体調が崩れ始め、暫定的な観覧記を mixi 日記に書いたはいいけれど、それを詳細な内容にリライトするだけの体力も気力も回復しないまま、ズルズルと時間ばかりが経過して、やがて2012年が明けるとすぐに、入院という事態となり、退院後も、1年以上はライヴに足を運ぶことすらなく、Queer Music Experience.やブログの更新も、完全にストップしていました。

 結果、それら、予告篇のつもりで書かれた暫定的な観覧記は、リライトされないまま、mixi のみの公開という状態が、年単位で続いていた、というわけです。



 で、どうしてそれを、今さらのように Queer Music Experience.に復刻掲載し始めたのかというと。

 昨年の12月12日にアップロードした、前回の記事の執筆に当たって、私は過去のライヴ観覧記を、いくつか参照したんですが、その作業の中で、このブログの過去記事や Queer Music Experience.以外にも、mixi のみの公開となってしまっていた数々の観覧記も、改めて読み返してみたんです。

 書いた当時は予告篇のつもりだった、それらのライヴ観覧記を、時間が経過してから読み返してみると、覚書程度にしか書かれていないものはともかくとして、ある程度の文章量があるものについては、ほぼそのままで充分に、「日本のLGBTミュージックの記録」になっているな、と思いました。

 そもそも Queer Music Experience.というサイトは、「LGBTミュージックの記録」を1つでも多く残すことを目的として開設したサイトです。そして、結果的には mixi のみの公開となってしまっていた、それらの暫定的な観覧記にも、実は「LGBTミュージックの記録」としての価値が充分にあるのではないか、そうであるならば、それらを Queer Music Experience.に掲載しないのはもったいないだろう、と考えるようになりました。

 ただ、いくら後日リライトして当ブログに掲載するつもりだったとはいえ、それらを書いている時点では、公開範囲を限定できる mixi での公開を無意識のうちに前提としていたせいで、そのまま Queer Music Experience.に掲載するには、あまりにも砕け過ぎた記述や、日記としての性質が強過ぎる記述も多かったので、そこはカットしたり改訂したりした上で、Queer Music Experience.への復刻掲載を開始した、というわけなんです。

 こうした経緯によって復刻掲載した、私が体を壊していた時期のライヴ観覧記は、次のとおりです。



Scissor Sisters Night Work LIVE(2011年2月9日 at Zepp Tokyo )
2011年2月9日 シザー・シスターズ ツアー・パンフ
※インディーどころか思いっきりメジャーな、シザー・シスターズのライヴ観覧記です。当初は、これをリライトしたものを、[ゲイのための総合情報サイト g-lad xx(グラァド)]に寄稿するつもりだったのですが、結局その機会を逸してしまいました(ニュース・サイトは即時性が重要なので)。



藤本大祐 presents スリーマンライブ『Triangle Typhoon』(2011年4月21日 at 秋葉原 PAGODA)
2011年4月21日 藤本大祐&鹿嶋敏行
※この観覧記では、主に藤本大祐さんと鹿嶋敏行さんとの共演について書いています。



とんちピクルス ライブ「やさしい夜」(2011年4月28日 at 中野 カルマ)
2011年4月28日 とんちピクルス
※このとんちピクルスさんのワンマン・ライヴの観覧記については、mixi のほうでも覚書程度の内容しか書いていなかったのですが、実は一度リライトに着手していて、しかし体調が悪くフィニッシュには至らなかったという経緯がありました。その未完成だったリライトの記憶を元に、ほとんど書き下ろしに近いほどの大幅な加筆が、この観覧記には施してあります。



渋谷 de 一軒家 vol.21(2011年5月5日 at 渋谷 gee-ge)
2011年5月5日 柏本 圭二郎
※この観覧記は、柏本 圭二郎(現:keiZiro)さんのライヴについて、主に書いています。これもまた、リライトに着手したものの、体調が優れなかったせいでフィニッシュに至らなかった観覧記で、keiZiro さんのセット・リストの最後に歌われた「Unite for Friends」についての記述から先は、ほぼ書き下ろしです。



Paddy Phield presents『Save tOhoku's Soul』(2011年5月15日 at 新宿 スモーキン・ブギ)
2011年5月15日 パディ・フィールド
※70年代末のロンドン・パンク・シーンや、80年代前半のイギリスのニュー・ロマンティック・ムーヴメントといった、世界のロック史に残るムーヴメントの只中にいた、ただ1人の日本人ミュージシャンであるパディ・フィールドさんのライヴ観覧記です。



ふわぽよ。(2011年6月9日 at 新宿 ArcH)
2011年6月9日 藤井 周
※この観覧記では、主に MARIO さんと藤井 周さんのお二方のライヴについて、話題を絞り込んでいます。



風太郎企画28th『夏空夢人』(2011年7月3日 at 阿佐ヶ谷 NEXT SUNDAY)
2011年7月3日 鹿嶋敏行
※この観覧記では、鹿嶋敏行さんと藤井 周さんのお二人のライヴについて、話題を絞り込んでいます。



Rainbow Arts Final exhibition(2011年7月30日 at 新宿 全労済ホール スペース・ゼロ)
2011年7月30日 Yosuke
※セクシュアル・マイノリティによるアートの祭典、Rainbow Arts の開催期間の最終日に、会場内で行なわれた Yosuke さんのミニ・ライヴの観覧記です。



海の家(2011年8月29日 at 新宿 ArcH)
2011年8月29日 Men⇔dy
※この観覧記では、耳の病気のために音楽活動を休止されていた Men⇔Dy さんの復活ライヴについて、話題を絞り込んでいます。



 さらに、私が体を壊してしまった2011年よりも前に書いたものの中にも、やはり mixi でしか公開していなかったライヴ観覧記が、いくつもありました。

 それらが mixi での公開のみに留まってしまっていた理由は、一つにはデイ・ジョブが多忙であったために、リライトに手が着かず、そのままとなってしまっていた、というもの。

 それらのうちの1つ、2009年9月6日の Living Together Lounge でのさんのライヴ観覧記を、先日 Queer Music Experience.に復刻掲載しました。日記としての性質のほうが強い文章なので、これを最初に書いた当時には、後日に大幅なリライトを施すつもりでいたのですが、こうして改めて読み返してみると、「LGBTミュージックの記録」としては、実はこのままでも充分ではないかと思ったので、明らかに日記のつもりで書いている部分をカットした以外には、「くん付け」を「さん付け」に直す程度の改訂に留めました。



Living Together Lounge vol.57(2009年9月6日 at 新宿 ArcH )
2009年9月6日 灯



 そして、多忙という理由とはまた別に、出演者のプライヴァシーに配慮した関係で、mixi での公開のみになっていた観覧記も、一部あります。

 要は、それらのライヴの出演者がLGBTであるという事実が、はたしてオープンにされているのか、それとも対外的には伏せられているのか、その辺りがわざと曖昧にされていて、判然としなかった場合には、そのライヴの観覧記は、最初から手を着けていないか、あるいは書いたとしても、mixi のみの公開としていました。

 そうした種類のライヴ観覧記も、いま読み返してみると、「出演者がこの顔触れなら、別に Queer Music Experience.に観覧記を掲載しても、たぶんアウティング行為になることはなかろう」と判断できるものが、いくつかあったので、それらも追々、掲載していく予定です。まあ、かなり大雑把な書き方ではあるのですが。



 斯様にして、mixi のみで公開していたライヴ観覧記を遡っていく中で、実はワタクシ、アーティストさんに対して大変失礼な事実誤認をやらかしていたことに、気がついてしまいました。

 2013年1月17日に池袋の鈴ん小屋(りんごや)さんにて開催された『Serious Playground』の観覧記(当ブログの2013年1月19日付のエントリ)の中で、私は、とんちピクルスさんの「湯の花」という楽曲について、CDでは親しんでいたけれどもライヴで聴くのは初めて、という趣旨のことを書いていたのですが。

 実は、私がとんちピクルスさんのライヴを初めて拝見した、2005年8月28日の『とんち 音の波』の中で、私は「湯の花」のパフォーマンスを、ちゃんと観ていたんですよね。その記録が、mixi 日記のほうに、しっかりと残っていました。

 あちゃー。

 その2005年8月28日の『とんち 音の波』の観覧記も、後日アップしますが、その際には、このブログの2013年1月19日付のエントリにも、訂正とお詫びの文言を、追記で入れる予定です。

 もともと記憶力のあるほうではない藤嶋ですが、さすがにこれは、トホホな体たらく。

 とんちピクルスさん、大変失礼をしました。申し訳ありません……。

 やっぱり、記録をきちんとした形で残すのって、大事。

 反省。



 それでは、冒頭の繰り返しとなりますが、本年もよろしくお願い申し上げます。