2009/08/26
第1回LGBT音楽祭、開催!
めちゃめちゃ開催直前の告知で大変恐縮なのですが、とっても素敵なライヴ・イヴェントのお知らせです。来たる8月28日に、下北沢駅南口の北沢タウンホールにて、『第1回LGBT音楽祭』が開催されます!
http://www.lgbt.jp/
L&Gの音楽祭といえば、2000年の夏に四谷フォーバレーで開催された、日本のゲイ・インディーズ・シーンのエポックである『ゲイ&レズビアン・ミュージック・フェスティバル』がありましたが、今回の音楽祭はL&Gではなく、『LGBT音楽祭』です。
何より画期的なのは、このイヴェントが下北沢の商店街とのコラボレーションによるものだ、ということです。
これまでのゲイ・ライヴ・イヴェントは、オーディエンスを決してLGBTだけに限定はしていませんでしたが、基本的にはゲイ・コミュニティの中で行なわれているイヴェントでした。
対して、この『第1回LGBT音楽祭』は、新宿二丁目のようなゲイ・タウンではない地域の商店街と手を取り合った、全く新しい形での開催となります。
それが実現できたのは、このイヴェントのオーガナイザーが、あの石川大我さんだからです。
石川大我さんは、2002年に自身のカミングアウト体験を綴った『ボクの彼氏はどこにいる?』を講談社から上梓。今年に入ってからは文庫版も発売されました。10代から20代の若いゲイの人たちの友達づくりを支えるイヴェント「ピアフレンズ」も主宰。また、NHK教育テレビで放映されている福祉番組『ハートをつなごう』のLGBTシリーズにもレギュラーで出演されているかたです。
![]() | ボクの彼氏はどこにいる? (講談社文庫) (2009/03/13) 石川 大我 商品詳細を見る |
そんな石川さんは、ふだんは下北沢で洋服店を営んでいらっしゃるのですが、『ハートをつなごう』への出演がきっかけで、商店街の人たちのあいだにも石川さんの活動が知られることとなり、商店街のかたたちからの働きかけによって、今回のイヴェントの企画が動き出すこととなったそうなんです。
出演者は、ryo-ki、鹿嶋敏行、soulit with SEKI-NE の3組。そして、MCに櫻田宗久さんと一ノ瀬文香さん、トーク・ゲストに内田春菊さんという有名人のかたがたが顔を揃えていらっしゃいます。こうした顔触れが実現できたのも、やはり石川大我さんの力に負うところが大きいと思います。
以下、詳細です。
●日時:2009年8月28日(金)18:00開場 19:00開演
●会場:北沢タウンホール
●料金:2500円 (1ドリンク付き)
●出演:ryo-ki、鹿嶋敏行、soulit with SEKI-NE
●MC:櫻田宗久、一ノ瀬文香
●ゲスト:内田春菊
●主催:LGBT音楽祭実行委員会
●後援:世田谷区、世田谷区教育委員会、しもきた商店街振興組合、新宿二丁目振興会
●協賛:はりまメンタルクリニック、Almond Tequila(グローバル・コメルシオ) 、BOLS、TOOT、太郎次郎社エディタス、緑風出版、the pantry Homework's、ポット出版、ベネトンジャパン株式会社、ザ・ボディショップ他
●協力:NPO法人・GID media、NPO法人・ピアフレンズ、Rainbow College
●問合せ:
LGBT音楽祭実行委員会
webmaster+taigaweb.jp(+を@に変えて送信)
090-6538-5151
●当日券について
当日(8月28日)17:00より会場受付にて販売
本当なら、出演者の詳しいプロフィールなど、もっといろいろ特筆しておきたいことがあるのですが、開催まで時間がないので、まずは必要最低限の情報のみ、お伝えしておきます。開催までのあいだに、この内容に加筆があるかもしれません。
(8月27日追記)
レズビアンとゲイとストレートのためのメールマガジン『MILK』の Vol.96(8月14日付)に掲載された、第1回LGBT音楽祭の出演アーティストのプロフィールを、転載させていただきます。
■ryo-ki
昨年フジテレビの三宅恵介氏が演出を務めた舞台『TheStylez すたいるず』に主演し、振り付けとパフォーマンスを担当した古賀崚暉と、アレンジャーとして活躍しているMISAEによるアコースティックユニット。シングル「Side Jobs vol.1」がiTunes、amazonにて発売中。9月にはアルバム「想起 -the life of M-」をリリース予定。
□公式ホームページ(ryo-ki official website)
http://ryo-ki.com/
■鹿嶋敏行
かじま・としゆき 下北沢を中心に活躍するミュージシャン。トランスジェンダー。オリジナル楽曲の他、ジャズスタンダードやミュージカルの名曲佳曲、日本の童謡、唱歌、歌謡曲、シャンソン、欧米アーティストのヒット曲まで、幅広いレパートリーを持つ。東京都内にて最低月一でライブを開催
□公式ホームページ(カジマブログ)
http://blogs.yahoo.co.jp/kajimarl_to_the_world
http://www.myspace.com/kajimarlkingdom ※試聴可
■soulit
Event「Life-Time」でその人気を確固たるものとし、各ライブハウスやカフェなどでソールドアウトを連発している人気4人組バンド。今年7月にはアメリカでライブツアーを開催。ブラックミュージックとロックを融合させた音楽が特徴。サードアルバム「BITTER&SWEET」が全国発売中
□公式ホームページ(soulit)
http://soulit.heteml.jp/
■SEKI-NE
15歳のときに「ASAYAN~超男子ボーカリストオーディション」に出場し、約9000人の中から32名の予選通過者に残った経歴を持つ実力派シンガー。今年4月に新宿二丁目「Arch」で行われた単独ライブの模様が、下記サイト他にて見られます。
□Youtube(槇原敬之カバーソング)
http://www.youtube.com/watch?v=f3y2yWSXCbQ&feature=channel_page
今回の出演者のうち、soulit with SEKI-NE は『ソラニワ』や第1回東京プライド・フェスティバルといったイヴェントへの出演実績があるので、日本のゲイ・インディーズのファンのみなさんには既にお馴染みだと思います。
今回特に注目していただきたいのは、鹿嶋敏行さんです。
『MILK』に掲載されたプロフィールのとおり、鹿嶋さんはトランスジェンダーのアーティストさんです。
これまでの日本のインディーLGBTミュージック・シーンでは、たとえ今回のように「LGBT」の文字を明確に掲げてライヴ・イヴェントが開催されても、実際にトランスジェンダーのアーティストさんが出演されていたことは、ほとんどありませんでした。過去10年のあいだ、日本のインディーLGBTミュージック・シーンのライヴ・イヴェントに出演されたトランスジェンダーのアーティストさんは、ドラァグ・クイーンのかたがたを除くと、2001年7月8日の『PRIDE ACT1』に出演された、本職はライターさんの畑野とまとさん、ただ一人だけです。
これまでの日本のインディーLGBTミュージック・シーンは、その「LGBT」という看板に対して、中身が追いついていない状態だったのです。
加えて、鹿嶋さんがレパートリーとされているジャズ・スタンダードや日本の童謡、唱歌、シャンソンといったジャンルも、これまでの日本のインディーLGBTミュージック・シーンにおいては、完全に少数派です。
つまり、鹿嶋敏行さんは、これまでの日本のインディーLGBTミュージック・シーンに不足している要素をことごとく備えているアーティストさんなんです。
もちろん、こうした点を抜きにしても、私は鹿嶋さんの音楽と歌声が大好きなんですが、過去10年間の日本のインディーLGBTミュージック・シーンを観てきた私の目には、鹿嶋さんの存在自体が、とっても刺激に満ちているんです。
このブログをご覧のみなさま、8月28日は、ぜひ下北沢に足をお運びになってください! よろしくお願いしまーす!