FC2ブログ

最も偉大、かつゲイゲイしいアルバム100撰

アメリカのメジャー・ゲイ雑誌『Out』誌のサイトに、"The 100 Greatest, Gayest Albums (of All Time)"という記事が掲載されています。アップロードされたのは今年の3月なので、決して新しい記事ではありませんが、現在でも『Out』誌のサイトのトップページからリンクが張られています。

The 100 Greatest, Gayest Albums (of All Time) (Out Magazine, 2012.03.19)

100作品のジャケットと解説が、スライド・ショー形式で閲覧できます。実際に見ていただいたほうが望ましいのですが、このエントリの最後にも100作品のラインナップと順位を書き出しておいたので、ぜひ参照なさってみてください。

さて、このリストが、どのような基準の下に、どのような方法で選出されたのか、それはわかりませんが、ここでは LGBT のアーティストの作品だけではなく、異性愛のアーティストによる LGBT 的な内容の作品や、ゲイから多く支持されている女性アーティストの作品なども選出されています。

良くいえば LGBT カルチャーの多様性を反映した、悪くいえば LGBT カルチャーの定義のあいまいさをそのまま表したようなリストになっています。オルタナティヴ・ロックも多く含まれているところや、映画やブロードウェイ・ミュージカルのサントラ盤も含まれているところが特徴的です。後者については計5作品が選出されています。

そして、そのタイトルにわざわざかっこ書きで"of All Time"と付け加えられていることからも見てとれるように、このリストの中心となっているのは、ロック/ポップス史上での評価がすでに定まっている作品群です。

21世紀に入ってからデビューした新進アーティストのうち、このリストに選出されているのは、わずかにシザー・シスターズとザ・ゴシップの2組があるだけで(10月28日追記:アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズも選出されているのを見落としていました。計3組です。ご指摘をくださったみなさま、ありがとうございました。)、近年の作品でランク・インしているのは、すでに実績のあるアーティストの近作やベスト・アルバムなどです。

それから、ゲイに多く支持されている女性アーティスト、いわゆる歌姫のうち、90年代以降に登場した歌姫たちの作品も、そのほとんどがスルーされています。レディー・ガガやケイティ・ペリーはもちろんのこと、ブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラ、さらにはベテランの域に達しているマライア・キャリーでさえも、このリストには名前が見当たりません。

そのかわり、80年代に登場した、ゲイ・アイコンの代名詞的存在であるマドンナの作品は、ベスト・アルバムも含めて、実に5作品が選出されています。

そのマドンナこそが、このリストで最も多く作品が選出されているアーティストなのですが、マドンナに次いで作品が多く選出されているのが、ザ・スミス。4作品が選出されています。モリッシーのソロ・アルバムも含めると、合わせて5作品が選出されており、モリッシーはマドンナと並んで最多選出のアーティストとなります。が、ザ・スミスの作品はいずれも上位にランクされているので、印象の強さからいえば、このリストにおけるモリッシーの存在感は、マドンナのそれを上回っています。

次いで3作品が選出されているのが、デヴィッド・ボウイ、ペット・ショップ・ボーイズ、クイーンの3組。

2作品が選出されているアーティストになると、これは数が多いので、ここから先は実際の順位を見てご自身で確認なさってみてください。

ちなみに、トップ3の顔触れなんですが、1位の作品は異性愛のアーティストの作品。

そして2位と3位のアーティストは、それぞれ世間的には LGBT と認知されており、特に日本では彼らはオープンリーの LGBT だと思われていて、日本語版ウィキペディアでも LGBT のカテゴリに含まれてしまっているのですが、実は彼らは性的指向を明言してはいません(つまり英語版 Wikipedia では LGBT のカテゴリには含まれていない、ということです)。

以前、イギリスのゲイ雑誌『Gay Times』誌の編集者が述べた、「性的指向をあいまいにしているアーティストのほうが、オープンリー・ゲイのアーティストよりも優れたレコードを作る。『俺はゲイだ』なんて歌っても、良いレコードはできない」という趣旨の発言を、このブログで紹介したことがありましたが(そのエントリはこちら)、この『Out』誌による"The 100 Greatest, Gayest Albums (of All Time)"は、その『Gay Times』誌の編集者と同じような評価基準が反映されているといえるかもしれません。



さて、それでは100作品を100位から順に並べていきます。

続きを読む

スポンサーサイト