FC2ブログ

ヘイ! ミカジュー一丁!

今回のタイトルは、魔夜峰央先生の名作ギャグ漫画『パタリロ!』からのセリフの引用です。

いったいどーゆーシチュエーションで、このセリフが放たれたのかというと。

ひょんなことから、マリネラ王国の国家元首であるパタリロは、日本の喫茶店のお手伝いをすることになります。その店のお客さんが、トマトジュースのことを「トマジュー」と注文するのを見て、パタリロは、「ああ、ここでは短く縮めて言うのが粋なんだな」と勘違いしてしまいます。

郷に入っては郷に従え。別のお客さんからミカンジュースのオーダーを受けたパタリロは、

「ヘイ! マスター! ミカジュー一丁!」

と厨房に向かって指を鳴らします。

すると、なぜかミカちゃんというウエイトレスが、マスターに店の奥に呼び出されます。そして、パタンと閉じられた扉の向こう側から、「ギャーッ!」というミカちゃんの悲鳴と、それに続いて、ギュウギュウ……ポタリポタリ……、という謎の音が聞こえてくるではありませんか!

思わぬ事の成り行きにおののくパタリロの前に、包丁を片手にしたマスターが運んできたのが、

謎の液体、ミカジュー。



つーか、まあ、そんなことはどーだっていいんです。

本題。




このエントリを書いている現時点で、全英のヒット・チャートでは、まだアルバムを1枚も出していない全くの新人アーティスト、ミカのデビュー・シングル『Grace Kelly』が、首位を突っ走っています。

BBCラジオ1のシングル・チャート
http://www.bbc.co.uk/radio1/chart/singles.shtml

この曲は、どうやらMySpaceから人気に火が着いたらしく、その流通もダウンロード販売が中心のようなんですが、『Grace Kelly』はいきなり全英ヒット・チャートの3位に初登場。翌週には早くも No.1を獲得して、登場3週目となる現在も、首位を維持しています。

以前の全英ヒット・チャートでは、ダウンロード販売の数字はカウントされませんでした。Queer Music Experience.のほうで既に紹介している、オープンリー・レズビアンのアーティスト、アレックス・パークスは、セカンド・アルバムからの先行シングルがダウンロード販売のみとなっていたため、その売り上げ数字がヒット・チャートには全く反映されず、アルバムのプロモーション機能を果たせなかったということがありました。

しかし、今回のミカや、あるいは昨年デビューした女性アイドル、リリー・アレンなどは、非常に効果的にMySpaceをプロモーション手段として活用しており、時代は確実に変化しているなー、と思わされましたよ。まるでババアみたいな感慨ですが。



さて、ミカの話です。

ミカといっても、女性ではありません。

男性です。

確か北欧あたりだと、ミカは男性名なんだそうですよ。自分も初めて知ったんですが。

で、件のミカは、レバノン出身のパリ育ち。現在はロンドン在住の23歳。デビュー・シングル『Grace Kelly』が目下大ヒット中、というわけです。

なんでも、BBCのアンケートでは、2007年に大ブレイクする新人アーティストの筆頭に選ばれているそうで、まだアルバムも出ていないのに、既にイギリスのメディアからは絶賛されまくりです。

ゲイ・メディアのGay.com UKでも、ミカは大絶賛されてます。

というのもですね。

彼の歌声は、フレディ・マーキュリーにそっくりなんですよ。

イギリスの音楽ジャーナリズムがミカを評する際に比較対象として名前を出してくるのは、フレディ・マーキュリーだけではありません。他にもシザー・シスターズやルーファス・ウェインライト、エルトン・ジョンなどが、比較に出されています。

そして、これらのアーティストは、いずれもオープンリー・ゲイのアーティストです。

イギリスの音楽ジャーナリズムによる、こうした比較の仕方は、決してミカを揶揄するものではありません。むしろ逆です。

それら先人たちに比肩するほどの才能がミカにはあるという、これは純然たる賞賛です。

Gay.com UKでは、以下のように紹介されていました。

「エルトンがジェイク・シアーズ(シザー・シスターズ)に注目し、夢中になったように、もしもフレディが生きていたなら、同じようにミカに夢中になっただろう。」

『Grace Kelly』のヴィデオ・クリップを見るかぎり、確かにミカは、それら先人たちの長所をすべて兼ね備えた逸材のように見えます。

フレディの歌声。エルトンの演奏センス。ルーファスの詩的世界。そしてシザー・シスターズのキャムプ性。

たぶん、これから発売されるアルバムは、バカ売れするはずです。

"Grace Kelly"
(2007)


ちなみに、ミカは、現時点では性的指向をハッキリと公にはしていません。

しかし、MySpaceでフル・コーラス試聴が可能となっているうちの1曲「Billy Brown」は、男性に恋をして家族のもとを飛び出してしまった既婚男性のことを歌っています。

Gay.com UKのレビューではミカのことを、早くも「ゲイ・ポップ・センセーション」などと形容しています。これというのは、見方によっては、ミカの性的指向をゲイだと決めつけているように見えなくもありません。

しかし、そもそも「ゲイ・ポップ」とか「ゲイ・ミュージック」だとかいう言葉は、実は定義が非常に曖昧で、「ゲイのアーティストによるポップ・ミュージック」を指している場合もあれば、「ゲイのオーディエンスに好まれる類のポップ・ミュージック」を指している場合もあります。

ミカがゲイなのかどうかはともかくとして、少なくとも現時点で言えるのは、ミカというアーティストは、たった1枚のシングルだけで、ロビー・ウィリアムスのように、「性的指向はグレーゾーンであっても、ゲイ・イコンとして強力な支持を集める男性アーティスト」のポジションを獲得した、ということでしょうね。



ちなみに、マネージメントを務めているのは、マライア・キャリーの元旦那の、トミー・モトーラだそうです。この一点だけを見ても、ミカは将来大物になるであろうことが予想されます。


スポンサーサイト



コメント

ここ10年くらいはR&Bやソウルばかりを聴いてたのだけど、最近の面倒くさがりな自分の嗜好を飛び越えた音楽を聴くと、その昔の色々な音楽が脳裏に流れます。
フレディ・マーキュリーを彷彿とさせるような声。。

ん~。フレディと言えば猫。
私も彼女も愛猫家なんでふと、そんなことを思い出してみたり。
いやはや、支離滅裂ですね^^;
素敵な曲をありがとう。こりゃ売れるのも納得です。

>yumiさん

フレディの恋人だったジム・ハットン氏の著書『フレディ・マーキュリーと私』を、私が読んだのは、実は昨年のことでした。ファンとしては遅めなんですけど。(^^;

その中では、猫の話がたくさん出てきますよね。それが私にはとても印象的でした。フレディは本当に猫が好きなんだなー、と。



ちなみに、性的指向という部分に焦点を合わせて、いろんなアーティストのことを調べていくと、普段は聴かないようなジャンルの中にも、自分のツボにハマるアーティストや楽曲が結構あることに気づかされます。

そうした「思いがけない拾い物」を見つける楽しさも、このブログを続けている理由の一つですね。(^^

久々にお邪魔させてもらったら、いっぱい更新されててうれしかったです☆

MIKAちょーかわいいです~~
最後の「くっち~ん」がなんてステキなんだ!と感動しちゃいました。
紹介文だけ読んでた時、フレディに声が似てるとかいてあったけど、まさか、そんなフレディみたいな人そうそう・・・と思ったら、似てます!!日本でも有名になってくれたらいいな♪

>yujiさん

お久しぶりです。(^^
約2ヶ月ほど更新をお休みしてましたが、年明けから復活いたしました。これからもよろしくお願いします。
m(_ _)m

ル・スポルトは解散してしまいましたが、今度はMikaがお気に召していただけたようで、こちらも紹介した甲斐がありました。

「Grace Kelly」の最後のアレは、自分も気に入ってます。しかも「くっち~ん」のあとに、さりげなく「んがっ」という鼻濁音が、オマケのようにくっついているところが、個人的には最高でしたね(笑)。


Mikaは、たぶん日本でもブレイクすると思いますよ。なんてったって、全英No.1ですから。アルバムが出たら、たぶん日本盤も発売されるんじゃないかと思いますよ。マライア・キャリーを発掘したトミー・モトーラ氏がマネージメントを担当してるようですし。


はじめまして、こんにちわ。
最近すごーく気になってた「ミカ」で検索してこちらにおじゃましました。
この数週間、J-WAVEでヘビーローテーションでかかってますね。とても澄んだ綺麗な声、初めて聞いたとき一瞬、Queenの未発表曲? と思ったほど(笑)もともとフレディ好きの私のハートはイチコロになりました(笑)先日、J-WAVEでミカのインタビューが流れましたところ、近々来日らしいです。日本に来たらオモチャと服を買いたいと。しかし彼は身長190cmだそうで、合うサイズがあるか心配…と言ってました。原宿やキディランドあたりに出没しそうですね。

>Bohさん

初めまして。コメントをどうもありがとうございます。(^^

近々来日ですか。それは知りませんでした。ライヴはやってくれるのかな? それともプロモーションかな?

ミカのMySpaceのページを覗くと、影響を受けたものの欄に、クイーンやエルトン・ジョン、プリンスのレコード・ジャケットと一緒に、『ドラゴンボールZ』の写真も載ってました。『ドラゴンボールZ』は、我々日本人が実際に認識している以上に、世界的に人気が高いんですが、たぶんミカは、日本のアニメとかマンガとか、そうしたキャラクター文化が大好きなんだと思いますよ。

初めまして。
時おり拝見させて頂いておりました。
3年前くらいからのクイーンファンなんですが、
最近ネット落ちしていた間に、
クイーンのファンサイトやらブログで
このMikaという方がよく取りあげられていて、
ずっと気になっていました。
ブライアン・メイとのツーショット写真というのも
見かけました。

確かにフレディの声に似てますね。
個人的には、ビジュアルはプリンスに似ているような・・・

藤嶋さんがご存知でしたら教えていただきたい事がありまして、初めての書き込みで失礼かとは思いましたが、思い切って、質問させていただきます。

以前あるクイーンサイトでフレディは美輪明宏さんと顔見知りだというような文章を読んだのですが、その後ネットで検索したり、フレディ関係の本を読み漁りましたが、そのサイト以外にそのようなことが書かれている記事を見つけることができませんでした。

個人的に大好きなふたりなので、
もし本当にこの文章が事実だったら、
どんなに素晴らしいだろうなあとずっと思っていました。

HPのフレディのプロフィールの更新を楽しみにしております。

>kanaさん
初めまして。コメント(ていうか、質問ですね)をありがとうございます。(^^

で、結論から先に書きますと、お役に立てないのが非常に残念なんですが、フレディと美輪さんが顔見知りという話は、私も初耳です。

フレディ関連の本は、私も読み漁っているんですが、kanaさんなら既にご存知の通り、そうした話は出てきてませんからね……。

もしもそれが事実だとしたら、メチャメチャ素敵なことだなー、と私も本気でそう思います。(^^

ただ、その辺の事実関係の確認は、難しいだろうなー、とも思うんですよね。お二方のお付き合いがどの程度のものだったかによって、左右されてしまうので。

たとえば、お二方が非常に親しかったのであれば、フレディや美輪さんの関連書籍に、そうした記述があってもおかしくないはずなんですが、交流があったという程度であれば、伝記本の記載からは省かれちゃっている可能性が高いんですよ。

だから、関連書籍に記載がないからといって、「それは事実ではない」と決めつけることもできないですしね。

だから、事実確認がとれればそれに越したことはないですが、それまでのあいだは、お二方のあいだには交流があったということを信じてしまうほうが、むしろ建設的だと思います! 

だって、素敵な話ですからね。(^^

書籍の記述は確かに重要ですが、こうした逸話の場合は、事実かどうかにこだわるよりも、そう信じることのほうが美しいと、私は思います!

>HPのフレディのプロフィールの更新を楽しみにしております。

あう……。プレッシャー……。
フレディに関しては、書きたいことや、書かなければいけないことが多すぎて、頭の中の整理がつかないんですよね。普通だったらそれだけでサイト1個分になっちゃいそうで。

でも、がんばります。(^^


これからも覗きに来ていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。m(_ _)m


藤嶋さん、
さっそくレスをありがとうございます。
しかも、素敵なお言葉に感激いたしました。
そうですね、
書いていないからといって事実ではないとは
いえないですね。
いつか何か手がかりがつかめましたら、
報告にまいります。

それと、藤嶋さんのプロフィールを見て、
気がついたのですが、
大学生時代わたしは「小説JUNE」の読者でした。
確か隔月で通称大JUNEと小JUNEが入れ替わりに
発売されていたと記憶しています。
ちなみに私は、藤嶋さんと同年代です。
発売日が本当に待ち遠しくて、
雑誌を買うのに、
あんなにドキドキわくわくした経験は、
あの時だけです。

長々と失礼しました。

>kanaさん

おー! 小JUNEの読者でいらっしゃったんですね? 奇遇ですねー。(^^
確かにあの時期は、大JUNEと小JUNEが隔月で交互に発刊されてました。

実は私が小JUNEに作品を載せていただいたのは、わずか2作品だけで、その後は同じ出版社のゲイ雑誌の編集部からお声をかけていただきまして、よりコアな方向へと進んでいったんですが(笑)、小JUNEは私の作品を初めて掲載してくださった商業誌ですから、非常に思い出深い雑誌ですし、いろんな意味で私を救ってくれた雑誌でもありましたね。

自分がゲイであることに悩んでいた自分にとっては、男性向けゲイ雑誌よりも、むしろ小JUNEのほうが、手にとりやすかったんですよね。それに、当時の小JUNEは、現在のボーイズラブのような軽い作風ではなく、どちらかというと暗めな作品が多くて、それが当時の自分の心境にはピッタリと寄り添ってくれた感じです。


いやはや、こちらこそ、思わず思い出話を語ってしまって、長々と失礼いたしました。
(^^;


非公開コメント