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せっかくの連休だというのに、結構な字数の英文記事を、ギャラも出ないというのにシコシコ翻訳するというのは、なかなかに侘しくもあるんですが、非常に面白い記事だったので、全文翻訳してみました。

原文はこちらです。

Is Mika gay? (Gay.com UK)
http://uk.gay.com/article/5308

この記事は、タイトルを見ればわかるとおり、現在イギリスのシングル・チャートで4週連続 No.1を記録している新人アーティスト、ミカの性的指向を憶測している記事です。

そして、この記事を書いているのは、例によって例のごとく、スチュワート某氏です。

まあ、相変わらず、偏った論旨ではあると思います。ただ、いつものスチュワート某氏の書き方を考えると、比較的マイルドです。いつものスチュワート某氏だったら、自分とは異なる見解はすべて粉砕してやるぐらいの勢いで書いているんですが、この記事では、異なる意見の存在も、一応は認めています。

しかし、それ以上に興味深いのは、この記事が、単にミカの性的指向を憶測しているだけのものではない、ということなんです。

イギリスのゲイ・ポップ・スターたちのカミングアウトの歴史が、この記事を読めば、まあ、ごくごく簡単ではありますが、一望できるようになっています。

加えて、ジミー・ソマーヴィルやホリー・ジョンソン(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド)の新しい発言も引用されていて、単なるゴシップ記事にはとどまらない内容となっています。

記事本文中で言及されている、彼らの代表曲のヴィデオ・クリップの動画も、併せて貼りつけておいたので、イギリスのゲイ・アーティストに関心のあるかたは、ぜひ読んでみてください。

以下、日本語訳です。



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ヒット・チャートの首位を走っているポップ・センセーション、ミカは、彼の性的指向を問う声を拒んでいる。そうしたプライベートな事柄を秘しておく権利は、とうぜん彼にもあるのだという意見は、全くもってその通りである。しかし、この21世紀にそうした戦略をとることへの驚きの声も、一方では存在しているのである。

今月の『Gay Times』誌では、ミカは以前から話題となっていた、彼の性的あいまいさについて問われている。『Gay Times』誌は、見え見えのウソや手本どおりの答えなどにはもはや飽き飽きしているらしく、茶番は抜きにして、明快に切り込んだ。「ストレートなんですか? ゲイなんですか? それとも他の何かなんですか?」

ミカは、逆に質問を返すことでそれに応じただけだった。「ああ……それは100万ドルの価値のある質問だね。そうでしょ?」

ところが、実際にはそうではないのである。いたってシンプルで、まっすぐな質問だ。ポップス界でのカミングアウトが、オーディエンスに怖気をもよおさせるようなものではなく、肩をすくめられる程度のものになってきてからは、特にそうである。おそらく、避けては通れない質問なのである。

別のインタヴューでは、ミカは熱くなってまくしたてた。「性的指向について、僕は絶対に何もしゃべらないからね。」

「そうする必要があるなんて僕は思っちゃいない。いつだってそれを訊かれるんだ。でも、どうしてそれを知りたがるのかが僕にはわからない。」

「これからも末永くやっていこうと思うからこそ、僕は音楽以外の生活の部分は、封印してるようなものなんだ。これもその一つだ。特に今は、キャリアのスタート地点にいるんだからね。」

「僕の音楽をわかってもらうために、それが必要なことだなんて、到底思えない。」

「性的指向をはっきりさせようとしてレコードを作る人もいるけど、僕は全然そんなふうじゃない。」

「僕の音楽にはキャムプ感覚があふれてるし、芝居っ気もある。当然だろ? だって、それがポップ・ミュージックというものなんだから!」

歴史的に見れば、性的指向への問いをはぐらかしてきたポップ・スターたちは、結局のところは、みんなゲイであったことが明らかになっている。

イアン・“H”・ワトキンスは、そのいちばん最近の例である。クロゼットに意味もなく閉じこもり、はぐらかし、逃げ回り、我々が関心を失ってしまえば、無情にも手足の糸をゆるめられてしまった、マリオネットだったのである。

『Celebrity Big Brother』を完走したことによって、ワトキンスは、ダレン・ヘイズ(サヴェージ・ガーデン)やランス・バス(イン・シンク)、スティーブン・ゲイトリー(ボーイゾーン)、ニール・テナント(ペット・ショップ・ボーイズ)、ボーイ・ジョージマーク・フィリー(ウエストライフ)、デイヴィッド・ロス(バッド・ボーイズ・インク)などと足並みをそろえたことになる。

多少はましな言い逃れをした者もいるが、彼らは全員、性的指向を明確にするよう迫られた際には、恥ずかしがり屋の顔をして、性的指向を押し隠そうとした。

『Gay Times』誌のリチャード・スミスは、以下のように述べている。「私には、まだはっきりとした理由がよくわからないんですが、性に困惑している人というのは、非常に優れた音楽を作るものなんですよ。デビッド・ボウイやバズコックス、ソフト・セル、モリッシーやペット・ショップ・ボーイズが、ブロンスキ・ビートイレイジャーよりも格段に優れているのは、そうした理由からでしょう。だって、『おおい! 俺はゲイだぞー!』なんて歌っても、良いレコードは出来ませんからね。そうでしょう?」

それはそうかもしれない。だが、ブロンスキ・ビートの「スモールタウン・ボーイ」は、真から心をゆさぶる、力強いポップ作品だった。それにウィル・ヤングは、逆にクロゼットの最右翼ではあったものの、それでも充分に優れた曲は書けるのだということを証明している。



"Smalltown Boy"
スモールタウン・ボーイ
(1984)




誠実な人柄が魅力のジミー・ソマーヴィルは、たぶん万人受けを考えてはいなかった。ところが、彼らのアルバム『エイジ・オブ・コンセント』は、クイアーを扇動するプロパガンダでありながら、イギリスのアルバム・チャートで4位を記録した。アメリカでは36位、オーストラリアでは12位だった。その驚くべき成功は、1984年……今から23年前のことである。

だから今日では、ゲイであるせいで給与が削られたという議論はあるにせよ、それが即、ゲイをボロ小屋に追い立てようとしていることを意味しているわけでもない。

素晴らしく弁の立つジミー・ソマーヴィルは、Gay.comに以下のように述べた。「クロゼットでいることのエクスキューズに使えそうなものは、法律によって全て取り除かれている。そんな今のご時世に、クロゼットの選択をするポップ・スターがいるということが悲しいよ。」

「尻を使ってヤッてるかどうかなんて、別にどうでもいいだろ? アレを咥えているかどうかなんて、知ってどうするんだい? つまらないことだよ。法律は進歩したけれど、いろんな点で、メディアのほうはちっとも進歩していないね。いまだに性的指向についてあれこれ質問したり、大騒ぎしているなんてさ。」

「(曲の中で歌われている対象が)“彼”なのか、それともそうではないのかってことが、音楽を霞ませてしまうこともあるんだ。そのことに、ミカも気がついたことと思う。もしも数年後に、ミカがボーイフレンドと暮らしてるなんていう記事を見かけたとしたら、本当に悲しいよ――そんなことを面白がるのはいったいどこのバカだ?」

『Gay Times』誌のリチャード・スミスは、いちポップス・ファンとしては、性的指向のあいまいさが、素晴らしい音楽の源泉になっていることを認めたいという気持ちがある。しかし、1人のゲイ男性としては、必ずしも感心はしていないのである。「少々腹立たしくはありますよね。そんなごまかしは過去のものなんです。これじゃあ、クロゼットと馴れ合っているのも同然じゃないですか?」

フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのホリー・ジョンソンは、Gay.comに、次のように述べた。「すべてはまさしく、金儲けのためなんだ。フランキーが最初のヒットを飛ばしたとき、ボーイ・ジョージやジョージ・マイケル、それにマーク・アーモンドは、みんなクロゼットだったんだ。彼らは大金を稼ぎ出していたから、巨大なファン層からの反発を買うわけにはいかなかったんだ。」

現在では忘れられがちなことなのだが、1984年、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドが、彼らのスーパー・クイアー・ヴィデオ「リラックス」によって、イギリス国家に衝撃を与えていた当時、ボーイ・ジョージは、フランキーの一歩進んだアプローチに憤慨して、彼らを貶す内容の手紙を、『レコード・ミラー』誌に送りつけている。

フランキーはゲイに汚名を被せている、とジョージは主張していた。彼がインタヴューの中で、セックスよりも紅茶を一杯飲むほうが好きだと話していた当時のことである。そうやって失ってしまった時間を、ジョージはいろいろな点から取り戻すことができた、とは言える。ジョージは、『Question Time』(註:イギリスのTV討論番組)に出演し、地方自治体法案第28節(註:同性愛を誘発するような一切の称揚的活動を禁止する法案。1988年に成立し、2003年に無効となった)に対し、クイアーらしく抗議を行なった。

BBCの『Question Time』で、ジョージはアンジェラ・ブラウニングと真向から対立した。ブラウニングは、イギリスの影の内閣の貿易産業大臣で、彼女は教育の現場で同性愛が称揚されるのを防ぐためには第28節が必要だと述べた。

「いったい誰が同性愛を推進してるっていうんだよ!」ジョージは噛みついた。「そういうつもりで言説を弄しているだなんて、それは全くの誇大妄想だ。じゃあ子どもたちにナチスドイツのことを教えたら、あんたはそれが即ナチズムの教育だとでも決めつけるつもりなのか?」彼は斬り返した。

以後もジョージは驚くほど冗長で、今日ではもはや厚顔無恥ともいえるほどである。お茶を飲むよりもウリの男の子のほうが好きだということも、嬉々として認めている。

皮肉なことだが、ジョージがカミングアウトして高らかに声を上げている現在、多くのゲイが、ボーイ・ジョージはゲイに汚名を被せていると考えているのだ。

ホリー・ジョンソンは、今までに性的指向を隠そうと考えたことがあるかと問われて、軽く鼻であしらった。「いいや。一度たりともそんなことは考えなかったね。ヒット曲を出していた当時、僕は24歳だったけど、そんなの正しい判断だとは思えなかった。それにもう、僕がゲイだってことは、みんな知ってたからね。『リラックス』が、クイーンの『ラジオ・ガ・ガ』の1位獲得を阻止したときには、本当に楽しませてもらったよ。だって、そのとき僕とフレディは、同じバーで飲んでいたんだからね」



"Relax"
リラックス
(1984)




ホリーは、クロゼットのポップ・スターたちが人気を博していることについて、もっと深い理由があるのではないかと示唆した。「自分のことが嫌いなゲイも、たくさんいるんだよ。そういうゲイたちが、クロゼットのポップ・スターに熱中して、わっと群がるようにレコードを買うのさ。そのポップ・スターがカミングアウトしちゃうと、彼らは言うんだよ。『あの子も終わったわね』なんて。そんなゲイたちが、ボーイ・ジョージの新作を群がるようにして買うなんて、あると思う?」

ホリーは、しばしばゲイ男性が女性ポップ・スターに入れあげることが多いのも指摘している。才能の如何はお構いなし、ゲイからの愛に応えてくれるかどうかも考えず、それらのゲイ男性は、女性ポップ・スターに入れあげ続けているのである。

もちろん、これらの全ては憶測でしかなく、ひょっとしたら、ミカは全くのストレートであるかもしれない。しかし、考えてほしい。ミカが本当にヘテロセクシャルであったとして、はたして彼は、名声がもたらした薄汚れた富をエンジョイしたり、巨乳美人と遊び回ったり、精力旺盛な他のロック・スターたちと同じように振る舞ったりなどはするであろうか?

ストレートの男性ならば、性的指向について質問を受けても、答えるのをためらったりはしないものである。人によってはゲイの男性を好きだとも言うだろうし、G.A.Y(註:ロンドン最大のゲイ・クラブ。著名アーティストもしばしばパフォーマンスを行なっている)でパフォーマンスするのも好きだと言うかもしれない。しかし、こんなことは言わない。「性的指向について、僕は絶対に何もしゃべらないよ。」

ミカのデビュー・アルバム『Life in Cartoon Motion』は、2月5日発売。



"Grace Kelly"
(2007)



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2007.02.12 Top↑
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