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このブログの、昨年1月16日のエントリでは、

「アメリカのメジャー・レーベルとしては最大手のソニーが、LGBTのアーティストが主体の新レーベルを設立する」

というニュースを紹介しました。

※参考リンク
ソニーが、ゲイ・アーティスト主体のレーベルを設立(当ブログの2006年1月16日のエントリ)

Music With A Twistという名前の、そのレーベルの公式サイトは、しばらくのあいだはプレス・リリースのPDFファイルがアップロードされているばかりで、具体的な動きが、少なくとも表面的には全く見えてこなかったのですが、いよいよ今年になってから、作品のリリースが始まったようです。





その第1弾となったのが、日本でもCS放送で『Lの世界』のタイトルで放映されている、ビアンの登場人物たちが織り成す人間模様を描いたテレビ・ドラマ『The L-Word』のコンピレーション・アルバムです。劇中曲とイメージ・ソングを併録したアルバムで、フィオナ・アップル、Pink、PJ・ハーヴェイ、ニナ・シモーン、トーリ・エイモスといった著名アーティストの楽曲が集められています。

Music With A Twist公式サイト
http://musicwithatwist.com/

そして来月から発売となる第2弾が、アメリカのインディーのLGBTアーティストの楽曲を集めたコンピレーション・アルバム、『Music With A Twist Revolutions』です。

昨年1月16日のエントリの中では、このMusic With A Twistを主宰しているマット・ファーバー(アメリカのゲイ向けケーブルTV局、LOGOの設立者)が、「現在は将来有望なLGBTミュージシャンを探しているところだ」と語っていたことを紹介しています。2007年3月現在、Music With A Twistと専属契約しているアーティストは未だいないようですが、とりあえず今回の『Music With A Twist Revolutions』に収録されているアーティストたちは、マット・ファーバーの眼鏡に適った、アメリカを代表するオープンリーLGBTのインディー・アーティストたち、ということになりますね。

『Music With A Twist Revolutions』ジャケット


収録アーティストは、以下の10組です。

The Gossip
Tangela Bell
Jonthan Mendelsohn
Ivri Lider
God-des & She
Jesse O
Sarah Bettens
Dylan Rice
Levi Kreis
Adam Joseph
Kirsten Price

最大の目玉は、なんといっても、やはりトップに名前が記されている、ザ・ゴシップでしょう。「Standing In The Way Of Control」が収録される模様です。

私は、ザ・ゴシップの「Standing In The Way Of Control」が今年に入ってからイギリスのヒット・チャートの34位にランク・インして以降、このブログでザ・ゴシップをプッシュし続けてきましたが、最終的に「Standing In The Way Of Control」は、今月4日付のチャートで最高7位を記録。めでたくトップ10ヒットとなりました。オープンリーのLGBTアーティストとして、ザ・ゴシップは、完全にブレイクを果たしました。



"Standing In The Way Of Control"
(2006)




それ以外のアーティストは、当然のことながら、日本ではほとんど無名です。

その中で、私が既にQueer Music Experience.の中でプロフィールを紹介済みのアーティストは、アダム・ジョゼフディラン・ライスの2人。



アダム・ジョゼフは、白人のヒップ・ホップ・アーティストです。まるでアイドル・スターのような童顔の美青年ですが、ヴォーカルは本格的です。楽曲も非常にメロディアスで、日本人にも親しみやすいものとなっています。



"Flow With My Soul"
(2006)




一方のディラン・ライスですが、彼はヴィデオ・クリップの製作を行なっていないので、ここでは映像を紹介することはできません。しかし、ディラン・ライス自身のMySpace Musicのページで、楽曲の試聴ができます。

ディラン・ライスのMySpace Music
http://www.myspace.com/dylanricemusic

ディラン・ライスは、アメリカのゲイ・メディアからは、しばしばモリッシーや故ジェフ・バックリィなどとも比較される、ビタースウィートという形容のふさわしい、艶のある歌声の持ち主です。どこか哀しげで、それでいながら瑞々しさにあふれたロックン・ロールを聴かせてくれます。

私はディラン・ライスの音楽が本当に大好きで、MySpaceを通じて、ディランにメッセージを送ったんですよ。そうしたら、彼は丁寧にも返事を寄こしてくれました。曰く、

「日本からメッセージを送ってくれたのは、君が初めてだよ。すごいクールだ。」

とのことでした。

いやー、私も嬉しかったです。



以前からQueer Music Experience.のほうでも紹介しているように、アメリカには、インディーで活動しているオープンリーのLGBTアーティストが、たくさん存在しています。うらやましいかぎりです。

しかし、それは裏を返すと、アメリカのメジャー・レーベルは、オープンリーのLGBTアーティストを、まだまだ受け入れていない、ということでもあるんですね。

たとえば、シザー・シスターズはニューヨーク出身のバンドですが、彼らが契約しているのは、アメリカのレーベルではなく、イギリスのメジャー・レーベル、ポリドールです。

シザー・シスターズがアメリカ出身ということで、「さすがはアメリカ、懐が広いぜ」みたいな勘違いをしたレヴューを、しばしばネット上で見かけるんですが、シザー・シスターズは、本国アメリカでは、いまだに「メジャーなカルト」の領域に留まっています。

シザー・シスターズが商業的な成功を収められていない英語圏の国は、他ならぬ、本国アメリカだけなんです。

そういう状況があるからこそ、アメリカのオープンリーのLGBTアーティストたちの多くは、インディーズで活動する道を選んでいるのだと思います。

LGBTのアーティストを専門に送り出しているインディー・レーベルは、幾つか存在しています。コンピレーション・アルバムも、それらのレーベルからはリリースされています。したがって、LGBTのアーティストのみを集めたコンピレーション・アルバムの存在自体は、今回紹介している『Music With A Twist Revolutions』が初めてではありません。

しかしながら、メジャー・レーベルがこうしたコンピレーション・アルバムを出すのは、全く初めてのことなんです。

ひょっとしたら、メジャー・レーベルからの作品ということで、輸入盤を取り扱っている日本の大手CDショップにも、このアルバムが入荷されることがあるかもしれません。まあ、確かなことはわかりませんが。

いずれにせよ、これにより、アメリカのインディーのLGBTアーティストの作品が、日本のリスナーにとってもう少し身近なものになるかもしれないと、私は期待しています。

発売は、インターネットでの通販が4月17日、アメリカの店頭に並ぶのが5月15日だそうです。

ぜひ、1人でも多くの人に、このCDを手にしてもらいたいと思います。



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2007.03.21 Top↑
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