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前回のエントリで、私は次のように書きました。

「スペイン語版 Wikipedia のエンリケ・デル・ポソのページを開くと、ページ下部に関連カテゴリの一覧があるんですが、そこには『スペインのLGBTの歌手』とか『スペインのLGBTの芸能人』といったカテゴリが見当たらないんですよ。

それは見様によっては、『そういったカテゴリを設けられるほどには、現在のスペインにはLGBTの著名人の数が多くはない』と解釈することも、あながち不可能ではないわけです。

まあ、穿ち過ぎではあるかもしれませんが。」



そうなんです。



私が穿ち過ぎでした。



スペイン語版 Wikipedia にも、「スペインのLGBT」というカテゴリはありました。



あははははははははは。



アタシ間違えましたが、それが何かっ!!
歯軋りコンドリーザ
(逆ギレ フルスロットル)


つーか、確かにスペイン語版 Wikipedia にも、「スペインのLGBT」というカテゴリは一応あることはあるんですが。

そこで網羅されているLGBTの数は、決して多くはないです。少なくとも今のところは。

前々回紹介したエンリケ・デル・ポソのような、「かつての人気歌手が同性愛をカミングアウト!」みたいなケースも、やっぱり少数派のようです。

ただですね、この「スペインのLGBT」というカテゴリには、スペインを代表するゲイの著名人の筆頭であるペドロ・アルモドバルが含まれていないんですよね。だから、現在のスペインのLGBTカルチャーの現状をすべて網羅したものというよりは、このカテゴリを作成した人物の好みなり事情なりが反映された、個人的な性質のコンテンツと見るべきなんでしょうねー。

まあ、ネット以外にスペインのLGBTミュージック事情を知る術を持たない私は、結局はそうした個人的性質のコンテンツに頼らざるを得ないんですけどね。



ま、それはそうとして。

最近は休日しかブログの更新ができないのに毎回スペインのことばかり書いていると、いいかげん飽きられてしまいそうなので、今回はいつもよりも簡略に、複数のアーティストを大雑把に紹介して、スペインのLGBTミュージック事情についてはとりあえず一区切りつけたいと思います。

ちなみに、これまでに書いたスペインのLGBTミュージックについての話題は、以下のリンクからどーぞ。

前々回:歌のお兄さんからLGBTアーティストへの転身
 ※かつてはスペインのチビッ子たちのアイドルで、現在はオープンリー・バイセクシャルの歌手、エンリケ・デル・ポソについての話題です。

前回:ち×ぽの歌が聴こえる
 ※ヒゲ付きドラァグ・クイーン、ラ・シェールの楽曲「Chim Pon」についての話題です。







さて。

最初に紹介するのは、ヘスス・ヴァスケス(Jesus Vazquez)。

この人は、スペインではかなりの有名人のようです。しかし本職は歌手ではなく、テレビ番組の司会者。『Big Brother』や『Popstars』『Survivor』といった日本でも有名なリアリティ・ショウのスペイン版で、司会を務めています。

美形の彼は、セックス・シンボルとしてノンケ女子からもゲイ男子からも人気を集めていたようですが、2005年、スペイン下院で同性婚の合法化が可決されたのを受けて、ボーイフレンドと結婚したそうです。

今回紹介するのは、彼がまだクロゼットだった1993年にリリースされたシングル、「Y yo te bese」のヴィデオ・クリップ。哀感漂うミドル・テンポの正統派ロッカ・バラードです。

"Y yo te bese"
(1993)


楽曲についての詳しいインフォメーションがわからなかったので、このヴィデオ・クリップがアップロードされている YouTube のページのコメント欄も読んでみたんですよ。それらを見る限りでは、ヘスス・ヴァスケスがゲイであることは、スペインでも意外に知られてないみたいですねー。

なおかつ、たとえ同性婚が合法化されていても、依然として偏見はスペインにもあるようで。

YouTube のコメント欄には、彼の性的指向を揶揄するコメントも多く見られます。

中には、女性ファンらしき人が、「彼がゲイだなんて信じられない! だって、こんなにキュートなのに! ウソよ! 彼がゲイだなんて信じないわ!」と激しく嘆いているコメントもありました。

ゲイがキュートだったらいかんのかい、って感じです。

スペイン語版 Wikipedia のヘスス・ヴァスケスのページでは、彼の歌手活動についての記載が一切ないので、「Y yo te bese」以降も楽曲のリリースがあったのかどうかは不明です。







次に紹介するのは、バルセロナ出身の2人のドラァグ・クイーン、キーラとシャロンのデュオ・チーム、シマイ(Shimai)。

このユニット名は、まず間違いなく、日本語の「姉妹」のことだと思います。

シマイの2人は、バルセロナのローカルTV局、Flaix TV に看板番組を持っているらしく、バルセロナではよく知られた人気者のようです。

彼女たちのシングル「Estoy Bailando」のヴィデオ・クリップでは、「アタシ女優よ!」と言わんばかりにオスカー像を片手にパフォーマンスしたり、カラフルなナース姿でお注射プレイを披露してくれたりと、次々に衣装をチェンジして、観る者の目を楽しませてくれます。

ついでに、パキパキに割れた逞しい腹筋も見せてくれてます。

"Estoy Bailando"
(2007)


シマイ公式サイト
http://www.shimai.es/








最後に紹介するのは、前回のエントリでリンクを貼っていた『Opus Gay』の紹介記事の中でも名前が挙がっていたアーティスト。

その名も、ヴァニティ・ベア

イカニモ系な2人のイケメン髭熊による、エレポップ・ユニットです。

曲のタイトルもズバリ、「Chubbie Boy」。発音は「チュビー・ボーイ」ですが。

好みのタイプが髭熊という指向性は、実は「野郎っぺえヤツが好き」という指向性と、かなりの部分で被ってるように思います。10月21日のエントリで紹介したベアフォース1も、野郎っぽさをアピールしたユニットです。

しかし、その一方で、イカニモ系の髭熊野郎の男っぽさというのは、実は単なる演出であることもしばしばだったりします(もちろん、見た目も中身も野郎そのもの、という髭熊のゲイのかたも、私はたくさん存じ上げていますが)。

ベアフォース1のヴィデオクリップでも、彼らがジャンプした拍子にテディベアのマスコットがポトンと落っこちてくるという捻りの効いたオチが、最後の最後に付け加えられていました。

で、ヴァニティ・ベアの「Chubbie Boy」のヴィデオ・クリップなんですが。

この作品の面白いところは、そうした髭熊系の「ヲトメな実態」を、あえて類型的に誇張してコミカルに描き出している、という点です。

単にヲトメなだけでなく、ぬいぐるみ大好き、くまのプーさん大好き、日本のロボット・アニメが大好き、アメコミ・ヒーローも大好き、というライフスタイルが描かれています。

見た目はゴツイけど中身はヲトメで、しかもヲタ、という、ある意味では非常にリアルな髭熊系のライフスタイルです。

こうした表現をアイロニーと受け取る髭熊系のかたも、ひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。しかし、彼らが自らをヴァニティ・ベア(=高慢ちきな髭熊)と名乗っていることとも併せて考えてみると、彼らのアイロニーの矛先は、むしろ彼ら自身です。

要するに、彼らのヴァニティ・ベアというユニット名は、自虐ジョークなんですね。

したがって、このヴィデオ・クリップが伝えようとしているのは、世の髭熊系のゲイを揶揄することなんかではなく、自虐ジョークを基底にした、「モテることが目的の虚飾を一切排した、素のままのベア・カルチャーの讃美」、というところにあるでしょうね。

そのメッセージをあえて言葉にするならば、

「僕たちは、傍目にはお高くとまっているように見えるかもしれないけど、ホントはこんなにもヲトメで、ヲタで、つまりはみんなと変わらない、どこにでもいるフツーの髭熊系のゲイなんだよー」

ってことだと思います。

フサフサとした胸毛に覆われた乳首のどアップとか、尻丸出しのオールヌードといったセクシーなカットも出てくるんですが、ヴァニティ・ベアの2人のヲトメなヲタっぷりのほうが、はるかに強く印象に残ります。

こうしたヲトメなヲタっぷりは、人によっては「他人には決して見せたくない秘密の素顔」だったりすることもあるので、このヴィデオ・クリップへの好悪は、彼らと同じ髭熊系のゲイの人たちのあいだでも、かなりくっきりと二分されるでしょうね。

つまり、一種の共感をもってクスッと笑うことができるか、あるいは嫌悪とか近親憎悪の念を抱くか、そのどちらか。

ちなみに私個人の感想はというと、たとえ髭熊好きではあっても私自身が髭熊というわけではないので、共感も嫌悪もないんですが、とりあえず楽曲のほうはかなり好きです。

'80年代のエレポップ風のサウンドは、私のツボにざっくりとハマります。

"Chubbie Boy"
(2006)


ヴァニティ・ベア MySpace プロフィール
http://profile.myspace.com/vanitybear








というわけで、スペインのLGBTアーティストの話題は、ここでひとまず一区切り。

次回からは、また違った方面のLGBTミュージックに目を向けてみたいと思います。



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2007.11.05 Top↑
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