上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- Top↑
イギリスのLGBT向けポータル・サイト、GaydarNation.com に、今月の4日、「Top Ten: Lesbian Bands」というコラム記事が掲載されました。

Top Ten: Lesbian Bands(GaydarNation.com, 04 January 2008)

この記事が非常に面白かったので、今回はその全文翻訳を掲載します。

私がこの記事を面白いと感じた点は、主に2つ。

まず1つは、筆者のシャーロット・クーパー氏のチョイスによるベスト・レズビアン・バンド10組の紹介を通じて、レズビアン・ミュージックの歴史がこの記事では大まかに俯瞰できるということ。非常に資料性の高い記事です。

ただし、ここにあるのはあくまでも「バンド」の紹介なので、クイアーコアやライオット・ガールといった特定のジャンルやムーヴメントへの偏りが自ずと生じています。というのも、クイアーコアやライオット・ガールに分類されるアーティストに、ソロの人はほとんどいないので。トップ10の紹介のあとにズラズラッと名前が列挙されているバンド群も、ほとんどがクイアーコアに直結しています。

そしてもう1つの面白い点は、クイアーコアへの偏向を是正するという意味合いもたぶん含まれているとは思うんですが、トップ10のバンド群の中に t.A.T.u.の名が含まれているところでした。って、ネタバレしちゃってますが。

t.A.T.u.の顔のレナとユーリャの2人が、実はゲイ女子ではなくストレートであるということは、日頃は洋楽を聴かないかたたちでもきっとご存知の有名な話です。しかしながら、レズビアン・ミュージックの歴史を語る上では、t.A.T.u.の功罪について触れるのはもはや避けて通れない道なのかなーと思いました。ゲイ・ミュージックの歴史を語る上でデヴィッド・ボウイの功罪には触れざるを得ないのと同じように。



さて、それでは以下からが GaydarNation.com の記事の翻訳です。本文中で紹介されている各アーティストの公式サイトへのリンクや、ヴィデオ・クリップの動画などは、私のほうで付け足したものです。



Top Ten: Lesbian Bands
04 January 2008

レズビアンと音楽とは、切っても切れない間柄にあります。ちょうどマレットにはジーンズが欠かせないように。あるいはディルドにローションは不可欠なように。パンク・フォークの先駆者フランクと k.d.ラングに始まり、レトロなルックスのダスティ・スプリングフィールドやメリッサ・エスリッジのAOR、ピーチズのエレクトロパンク、さらにはレズビアン・ミュージックのおよそイコンらしからぬページ・スリー・ガールのサマンサ・フォックスに至るまで、音楽とは、クイアーの女たちがその文化や歴史、結束を表現するための手段の1つなのです。

しかし、シンガー・ソングライターが占めているのは、そのうちの一角に過ぎません。ダイク・ミュージシャンはいつだってソロで活動しているわけではないのです。それをご存知なかったという方たちのために、最も優れたレズビアン・バンド10組を、ここに紹介しましょう。

1. ラヴェンダー・ジェーン
レズビアン・ミュージック・シーンの祖であるラヴェンダー・ジェーンは、ウィメンズ・フォーク・シーンの先駆者であるアリックス・ドブキンによって、1970年代の初頭に結成されました。アリックスは1973年に自身のレコード・レーベルを設立し、ケイ・ガードナーとパッチズ・アトムと共同で、『Lavender Jane Loves Women』を製作しました。このアルバムは、プロデュース、エンジニア、資金調達、パフォーマンスなどの全てがレズビアンの手によって行われた、最初の作品です。この作品を今聴き直してみると、笑えるほどに生真面目で、間抜けて聴こえます。依怙地なほどに昔気質なこのアルバムの表現の多くは、のちの世代の反発を招きました。しかしながら、ラヴェンダー・ジェーンこそが後続のための基盤を切り開いたのだという事実は、誰にも否定はできません。

2. インディゴ・ガールズ
エイミー・レイとエミリー・サリアーズはアトランタで一緒に演奏活動を始め、1985年に最初のレコードをリリースしました。絶妙なハーモニーと、透き通るようなアコースティックのアレンジで知られている2人は、長年に渡ってアメリカのカレッジ・ラジオを通じて、いくつものヒット曲を生み出してきました。ミシガン女性音楽祭への出演なども含めたサーキット活動の熱心な信奉者であるインディゴ・ガールズは、作品上で同性愛の主題を扱うことを忌避したり、政治への関心を幅広く訴えかけるのに怖気づいたりなどということは一度もありませんでした。2006年には、結成20周年を P!NK との共演で飾りました!

"Dear Mr. President"
(P!nk featuring Indigo Girls)

ディア・ミスター・プレジデント
(2006)


インディゴ・ガールズ公式サイト
http://www.indigogirls.com/


アイム・ノット・デッドアイム・ノット・デッド
(2006/07/26)
P!NK、P!NK feat.インディゴ・ガールズ 他

商品詳細を見る


3. シスター・ジョージ
短命ではあったものの、非常に強い影響力をもっていたイギリスのクイアーコアバンドです。最も良く知られているのは、扇情的なシングル『Drag King』でしょう。『Drag King』は、1990年代初頭の商業的なゲイ・シーンに幻滅していたクイアー・ピープルのアンセムとなりました。バンドの空中分解後、アッシュやナイトナースといったメンバーたちは、他のグループでそれぞれに成功を収めていますが、彼女たちの強烈な創造力と激しいエネルギー、そして彼女たちが示したオルタナティヴ・ゲイ・カルチャーへの展望は、今もなお数々のバンドをインスパイアしています。

"Sister George"
(1994)



4. トライブ8
怒りに満ち溢れ、政治的で、しかも大言壮語で傍若無人なトライブ8は、それでも数々の困難を乗り越えて、今日もなお健在です。メンバーの入れ替わりは激しいものの、結成時からのメンバーであるリン・ブリードラヴとレスリー・マーは、今でもダイク・パンク・ミュージックのトラッシュ・ブランドであり続けています。トライブ8というバンド名は、トリバディズム(俗に言う貝合わせ)にちなんだものですが、ブリードラヴはしばしばトップレスにペニスバンドという姿で、一度観たら忘れられないショウを繰り広げてくれます。もちろんペニスバンドはアンコールでスパッと切り落とされます。

トライブ8公式サイト
http://www.tribe8.com/


5. スリーター・キニー
コリン・タッカー、キャリー・ブラウンスタインとジャネット・ワイスの3人こそが、この地球上で最もマニアックなレズビアン・ミュージックのファンを生み出した張本人です。'90年代の中頃にオリンピアのライオット・ガール(Riot Grrrl)シーンで結成されたスリーター・キニーは、政治と音楽、そして焦げ付くようなギター・リックとシリアスな姿勢をブレンドして、他には類を見ない、憑かれたようなファン層を誘発しました。笑っているところを滅多に写真に撮られなかった3人は、2006年6月に、バンドの無期限休止を発表しました。それはレズビアンにとって、テイク・ザットの解散のようなものでした。

"Get Up"
ゲット・アップ
(1999)


スリーター・キニー公式サイト
http://www.sleater-kinney.com/


ザ・ホット・ロックザ・ホット・ロック
(2002/12/25)
スリーター・キニー

商品詳細を見る


6. ロックビッチ
ポルノ・スターで異教徒という別の経歴があること、そしてレズビアン・フォークというよりはデスメタルに近いサウンドを持っていることで、ロックビッチはレズビアン・シーンとは全くもって調和しませんでした。彼女たちがステージで繰り広げるエロティックなおふざけは地方議会から禁じられ、レズビアンからは彼女たちが「本物」のダイクではないと蔑まれ、さらにはレコード会社からも首を切られ、バンドは先の見えようがないほどに誤解されています。驚いたことに、彼女たちには忠実なる崇拝者たちがいて、ツアーとハードワーク、そして自らかち得た自己への信念とのコンビネーションによって、彼女たちはどうにかこうにか続いているのです。ロック・オン!

ロックビッチ公式サイト
http://www.rockbitch.tv/


7. スパイ51
リー・アンドリューズ、チャーリー・ストーン、そしておまけの男性メンバー、トビー・シンドンは、卓越したポップスを作り出します。大きなレーベルからのサポートやラジオのエアプレイがありながら、このバンドがすんでのところで勝利を取り逃がし、未だに大成功を収めていないというのは謎です。彼女たちの「Sheila's Sister」は今でもレズビアンのフェイヴァリット・ソングです。その一節、「私たちはみんなシーラの姉さんに夢中/今すぐにでも彼女に捧げたい/彼女が同性愛者じゃないなんて、本当の恥」は不朽です。素敵!

スパイ51 MySpace
http://www.myspace.com/spy51


8. t.A.T.u.
女子高生ルックのレズビアン・ポップ・シンガーが、2003年、未成年の少女同士のキスを巡るメディアの嵐を巻き起こしました。レナ・カティーナとユーリャ・ヴォルコヴァの2人は、自分たちが恋人同士であるとプレスに語りました。しかし彼女たちは2人ともストレートであることが、程なくして明かされました。かねてから疑いの目を向けられていた彼女たちの性的指向が、その音楽と同様、作りものであったということに驚いた人は、しかし誰もいませんでした。レズビアンのファンたちは裏切られたように感じましたが、それでもなおバンドは歩みを続け、たとえ異性愛者ではあっても「境界のない愛」をサポートすることを強調しています。

"All The Things She Said"
オール・ザ・シングス・シー・セッド
(2002)


t.A.T.u. JAPAN OFFICIAL SITE
http://www.tatu-japan.com/


t.A.T.u.t.A.T.u.
(2003/03/05)
t.A.T.u.

商品詳細を見る


9. ティーガン&サラ
このカナダ出身のデュオは、一卵性双生児のレズビアンの姉妹、ティーガン・レイン・クインとサラ・キアーステン・クインから成っています。彼女たちは全てが t.A.T.u.とは異なっています。彼女たちは音楽に取り組みながら共に成長し、自分たちで楽器を演奏し、自分たちで曲を書いています。ストレートの人々のあいだにマーケットを広げようとして性的指向を偽るなどということもありません。2人がリリースしたいくつものアルバムは、批評家筋から絶賛されています。他のミュージシャンとのコラボレートも行なっており、ホワイト・ストライプスは彼女たちの「Walking With A Ghost」をカヴァーしています。

"Walking With A Ghost"
ウォーキング・ウィズ・ア・ゴースト
(2004)


※Queer Music Experience.内のティーガン&サラのページは以下のリンクからどうぞ。
ティーガン&サラ バイオグラフィー

ティーガン&サラ公式サイト
http://www.teganandsara.com/


ソー・ジェラス~ニュー・エディションソー・ジェラス~ニュー・エディション
(2005/12/21)
ティーガン&サラ

商品詳細を見る


10.レズビアンズ・オン・エクスタシー
ラヴェンダー・ジェーンから一歩進んだ、ケベックのエレクトロニカ・グループ、レズビアンズ・オン・エクスタシーは、レズビアンのバンドが一巡した地点を示しています。彼女たちの2007年のアルバム『We Know You Know』は、初期のレズビアン・フォーク・ミュージックにサンプルとテーマを求め、それらをよりスマートで知識も豊富になった現代のクイアー・ガール・ミュージックのファンに向けて提示しています。古きものと新しきものが絶妙に組み合わされて、温故知新の偉大なる美学が実現されています。

"Sisters In the Struggle"
(2007)


レズビアンズ・オン・エクスタシー公式サイト
http://lezziesonx.com/


We Know You KnowWe Know You Know
(2007/04/10)
Lesbians on Ecstasy

商品詳細を見る


他にも名前を挙げておくべきなのは……
ビキニ・キル、ル・ティグラ、ブラットモバイル、ザ・ブッチーズ、ザ・ゴシップ、ガートルード、ザ・ハガード、フッカー、チーム・ドレッシュ……
もっともっとたくさんいるんですよ!



GaydarNation.com の記事の翻訳は以上です。全文翻訳などと言いながら、実はまだ数行が残っているんですが、「クイアーコアについてもっと詳しく知りたい人はこの本を読め」みたいな感じで解説書を紹介しているだけなので、省略しちゃいました。



ということで、レズビアン・バンド・トップ10の紹介でしたー。



スポンサーサイト
2008.01.14 Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://queermusicexperience.blog10.fc2.com/tb.php/193-334b313e
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。