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1999年のメジャー・デビュー盤『カンサス(Kansas)』が日本でも発売されていた、アメリカのクリスチャン・フォーク・ミュージシャン、ジェニファー・ナップが、2010年4月13日、アメリカのメジャー・ゲイ雑誌『The Advocate』誌、およびキリスト教誌『Christianity Today』のインタヴューを通じて、レズビアンであることをカミングアウトしました。

Christian Singer Jennifer Knapp Comes Out (The Advocate, 2010.04.13)

Jennifer Knapp Comes Out (Christianity Today, 2010.04.13)

クリスチャン・ミュージックというジャンル区分は、日本人にはあんまり馴染みのないものだと思うし、私自身クリスチャンではないので、クリスチャン・ミュージックの何たるかを正しく把握しているとは言えないのかもしれませんが、クリスチャン・ミュージックを簡単に説明すると、キリスト教信仰をテーマとしたポピュラー音楽、ないしはクリスチャンであることに立脚したポピュラー音楽、のことです。

ゴスペルもクリスチャン・ミュージックの一種です。でも、だからといってクリスチャン・ミュージック=ゴスペル、というわけではありません。あくまでも歌詞の内容やアーティストのパーソナリティに基づいた区分なので、その曲調はさまざまです。ロックあり、ポップスあり、フォークあり、テクノあり。

件のジェニファー・ナップは、クリスチャン・フォーク・ロックに属します。

彼女のこれまでの経歴については、Queer Music Experience.に新しくジェニファー・ナップのバイオグラフィーを掲載したので、そちらも併せてお読みになってください。

ジェニファー・ナップ バイオグラフィー (Queer Music Experience.) ←読んでね。

さてさて、ゲイ女子であることをカミングアウトしたジェニファー・ナップですが、先月末のリッキー・マーティンのカミングアウトに比べると、世間からの反響はそれほど大きくはないみたい。まあ、アーティストの側にしてみれば、あんまり騒いでほしくはないのだと思いますが。

しかし。

アメリカの福音派のクリスチャン・コミュニティのあいだでは、ジェニファー・ナップのカミングアウトは、かなりの一大事であるようです。

Christian musician Jennifer Knapp comes out (AfterEllen.com, 2010.04.13)

ジェニファー・ナップのカミングアウトを報じている、この AfterEllen.com の記事を執筆したヘザー・ホーガンさんも、やはりクリスチャンであり、レズビアンです。そんな彼女の視点から書かれた AfterEllen.com の記事は、ジェニファー・ナップのカミングアウトがアメリカのクリスチャン・コミュニティにとってはどれだけ重大事なのかということを、私のようにクリスチャンではない読者に、リアリティをもって伝えてくれます。

この記事の主要部分を、以下に引用してみます。

「この15年、何らかの形で福音派のクリスチャン・コミュニティに関わりのあった人にとって、ジェニファー・ナップの名前は、たぶんケリー・クラークソンと同じくらい馴染みのあるものだ。」

「この15年、福音派のクリスチャン・コミュニティに関わりがなかった人に対していちばん良い説明の仕方は、ジェニファー・ナップのカミング・アウトは非常に大きい(原文では"huge"が全て大文字で表記)、ということだ。」

「ジェニファー・ナップの人気のピーク時に、私はバプティスト教会で働いていて、日曜学校と週三回の聖書の講義を担当していた。もしもその当時、彼女がカミング・アウトしていたとしたら、それが私にとってどれほどの重大事であったかということは、説明の仕様がないくらいだ。」

「彼女の秘密が明るみに出たことで、世界が揺るがされたように感じるのは、私一人ではあるまい。」

「彼女の『The Advocate』誌のインタヴューでは、彼女は以前に若い女性ファンから受け取ったeメールの話をしている。その中には、もし彼女が本当にレズビアンであるのなら、どうかカミング・アウトしてほしい、と書いてあった。曰く、『自分は一人きりだという感じが、少しは解消されるから』と。」

「ジェニファー・ナップが姿を消してから、ゲイ・コミュニティとクリスチャン・コミュニティの関係は、さらにとげとげしいものになっていた。ジェリー・ファルウェルの死後、ジェイムズ・ドブソンが舵を握るようになってからはますます右傾化に拍車がかかり、ホモフォビアの大海へとまっしぐらに漕ぎ出していった。――しかし、いつだって私は、2つのグループに新しい対話をもたらす何かが、あるいは誰かが現れてくれるのを望んでいた。」

※ジェリー・ファルウェルもジェイムズ・ドブソンも、キリスト教右派の大物。

ジャンルの上でクリスチャン・ミュージックに属しているLGBTアーティストは、インディー・シーンには数多く存在しています。Queer Music Experience.に既にバイオグラフィーを掲載しているアーティストでいえば、ジェイソン&デマルコやヴォンタナーなどがそうです。また、かつては Pride Christian Music という、LGBTのクリスチャン・ミュージシャンによる団体も存在していました(現在では公式サイトは閉鎖されています)。

ジェイソン&デマルコ バイオグラフィー (Queer Music Experience.)

ヴォンタナー バイオグラフィー (Queer Music Experience.)

しかし、この日本でもアルバムが発売されているようなメジャー級のクリスチャン・ミュージシャンがLGBTであることをカミングアウトした例は、今回のジェニファー・ナップが実は初めてではないでしょうか?

たとえ初めてではなかったとしても、メジャー級のクリスチャン・ミュージシャンがカミングアウトした例は、それほど多くはないはずです。

その意味で、今回のジェニファー・ナップのカミングアウトは非常に画期的なものであったということを、ここでは特にアピールしておきます。


"Whole Again"
ホール・アゲイン
(Live, 2001)


カンサスカンサス
(1999/04/09)
ジェニファー・ナップ

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2010.04.16 Top↑
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