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10月25日付で AfterElton.com に掲載された記事によると、イタリアの人気シンガー・ソングライター、ティツィアーノ・フェッロ(Tiziano Ferro)が、10月6日に発売されたイタリア版『Vanity Fair』誌のインタヴューを通じて、ゲイであることをカミング・アウトしたそうです。

Tiziano Ferro: ≪Mi voglio innamorare (di un uomo)≫ (Vanity Fair Italia/style.it, 2010.10.05)

イタリア版『Vanity Fair』10月6日発売号表紙
見出しの"Mi voglio innamorare di un uomo"は、日本語に訳すと、
「僕は男性と恋をしたい」という意味になります。


私はイタリアン・ポップスについての知識が皆無に等しいので、ティツィアーノ・フェッロの名前も、今回のニュースで初めて知りました。どんなアーティストなのだろうと思いインターネットで調べてみると、ここ日本にも既に大勢のファンのかたがいらっしゃる、ワールド・ワイドな人気アーティストでした。

ラテンの家系に生まれたティツィアーノ・フェッロは、イタリア語だけではなくスペイン語でも歌っています。本国イタリアはもちろんのこと、スペインやフランス、スイス、ベルギーといった西ヨーロッパ諸国や、さらにはメキシコやアルゼンチン、チリ、コロンビアといった中南米の国々でも、プラチナ・ディスクやゴールド・ディスクを獲得しています。

英語版 Wikipedia に掲載されていたプロフィールを簡単にまとめると、ティツィアーノ・フェッロは1980年2月21日生まれの30歳。1998年、イタリアの人気歌手を多く輩出しているサンレモ音楽祭に参加。ここで12人のファイナリストに選ばれたのをきっかけに、マーラ・マイオンキとアルベルト・サレルノという2人のプロデューサーに見出され、2001年にアルバム『Rosso Relativo』でデビュー。以降、2003年に2nd『111』、2006年に3rd『Nessuno è Solo』、そして2008年には4th『Alla Mia Età』をリリース。これらのアルバムは累計で800万枚の売り上げを記録しているそうです。2004年にはMTVヨーロッパ・ミュージック・アウォードでベスト・イタリアン・アーティストを受賞。文字通りイタリアを代表する人気アーティストの一人となりました。

そのときの受賞曲が、「Sere nere」。2nd アルバム『111』からのシングルで、スペイン語ヴァージョンのほうはアメリカの『Billboard』誌のラテン・チャートで No.1を記録しています。

"Sere nere"
(2004)

http://www.youtube.com/watch?v=gGgakHVBSAs


さて、今回のティツィアーノ・フェッロのカミング・アウトなんですが、どうやらイタリアでは、メジャー・シーンで活躍する人気アーティストが同性愛をカミング・アウトした前例がないらしいんです。AfterElton.com の記事も"Italian singer Tiziano Ferro became the first openly gay Italian pop singer"と報じています。

加えて、イタリアでは同性愛者に対する風当たりが依然として強いらしいんですね。今回の件について書いている日本語ブログもいくつか拝読したのですが、いずれのブログでもそのことが言及されていました。

そうしたイタリア社会の中にあってなお、ティツィアーノ・フェッロがカミング・アウトを決意した背景には、それをしなければこれ以上は前に進めないという、大きな苦悩があったであろうことは、想像に難くありません。

上にリンクを張ったイタリア版『Vanity Fair』誌のインタヴューの抜粋記事は、次のような一節から始まっています。

≪Che cosa succederà dopo?≫, chiede Tiziano Ferro. Poi si risponde da solo: ≪Niente sarà più come prima≫.


これを翻訳ツールで英語に直すと、

"What happens next?" Asked Tiziano Ferro. Then he answers his own question: "Nothing will ever be."


"Nothing will ever be."――「何もかもが、以前のようにはいかなくなるだろう」。

つまり、ティツィアーノ・フェッロは、このカミング・アウトによって、これまでに築き上げてきたシンガー・ソングライターとしてのキャリアが、すべて失われてしまうかもしれないことすら、覚悟しているんですね。

にもかかわらず、ティツィアーノがこうしてカミング・アウトに踏み切った理由、それは「より良い人生を送りたい」という思いからでした。

インタヴューによると、彼は二年前から精神分析を受けていたそうです。自身の同性愛に苦悩し、二年間の精神分析を続けた末に、「より良い人生を送りたい」という結論に達した彼は、これまでのキャリアが失われるのも覚悟の上で、今回のカミング・アウトを決意したのです。

ティツィアーノは、10月20日に本を上梓しました。タイトルは、『Trent'anni e una chiacchierata con papà』。

日本語に訳すと、『30歳、そして父との対話』。

この本は、彼が1995年から今日まで書き続けてきた日記と、彼の父親との対話を収録したものです。イタリア版『Vanity Fair』誌のインタヴューは、どうやらこの本のパブリシティの一環として行なわれたもののようです。

日記の中では、自身が同性愛者であることの苦悩と葛藤が綴られているそうです。AfterElton.com の記事によると、この本についてティツィアーノは次のように語っています。

「僕が誰かを救えるだなんて思ってはいない。僕はそんなに傲慢じゃない。だけど、僕の本を読んでくれた人が、僕みたいに何年もの時間を棒に振らないで済んだとしたら、僕は嬉しい。」



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2010.10.26 Top↑
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