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ピート・バーンズ/Never Marry an Icon

「Never Marry an Icon」ジャケット

既に先月の話となってしまいましたが、デッド・オア・アライヴのボーカリストであるピート・バーンズ(Pete Burns)のソロ・シングル、「Never Marry an Icon」が、9月3日、iTunes Store から配信リリースされました。

デット・オア・アライヴとしての新作は、セルフ・カバーを別にすれば、2000年のアルバム『フラジャイル (Fragile)』以降絶えて久しく、ピートのソロ作も、ペット・ショップ・ボーイズがプロデュースした2004年のシングル「Jack & Jill Party」があるのみ。

「Never Marry an Icon」は、ファンが待ちこがれていた待望の新曲です。

デッド・オア・アライヴ バイオグラフィー (Queer Music Experience.) ←読んでね。

今作はデッド・オア・アライヴのスティーヴ・コイが設立したブリスター・レコーズからのリリースです。しかし、プロデュースを手がけているのはスティーヴ・コイではなく、ロンドンの新進エレクトロニカ・バンド、ダーティ・ディスコのメンバー。

ゆえに、今作の音作りはダーティ・ディスコのカラーのほうが強く出ているのかもしれませんが、ファンがピートの音楽に求めているもの――明快なサビを備えた、スピード感のあるダンス・ミュージック――は、じゅうぶんに実現されています。

それよりも、今作で興味深いのは、その歌詞です。

これまでのピートの楽曲は、私小説的な性質が希薄であったように思います。インタビューでは赤裸々な内容を語るのも厭わない、実にあけすけな性格のピート・バーンズですが、彼が歌う詞の多くは、ファンタジーとしてのラブ・ロマンスが中心で、彼自身のプライベートを生々しく反映したものではありませんでした。

しかし、今作は違います。

今作の歌詞では、自身の顔面整形について、言及がなされています。

この曲は、これまでのようにファンタジーを歌っているのではなく、ピート・バーンズの振るまいを嘲笑的に書き立てるタブロイド紙と、それを面白がる人々を批判したものなんです。

ピート・バーンズにとって、この「Never Marry an Icon」という曲は、マイケル・ジャクソンのキャリアにおける『ヒストリー (HIStory)』の位置づけに近いものがあるように、私は感じます。

それまではファンタジーを歌い続けてきたマイケル・ジャクソンが、少年虐待疑惑を巡る裁判を経て、初めて生の怒りの感情をさらけ出したのが、『ヒストリー』という作品でした。

この作品は、発表当時も今も、「痛々しい」という否定的な評価がもっぱらですが、私はそうは思いません。

偶像ではない、生身の人間としてのマイケル・ジャクソンが、『ヒストリー』の中にはいるのです。

その内面の叫びにこそ、私は強く心を動かされたのです。

ピート・バーンズの「Never Marry an Icon」も、人によっては「痛々しい」という否定的な感想を抱くかもしれません。しかし、この楽曲の中には、ファンタジーの語り部ではない、生身のピート・バーンズがいます。

その内面の叫びに、みなさんもぜひ耳を傾けてみてください。

"Never Marry an Icon"
(Live at Carpet Burn, The Eagle, 2010.9.10)

http://www.youtube.com/watch?v=pat55DBsBEg


Pete Burns (of Dead Or Alive)「Never Marry An Icon」 - iTunes で「Never Marry An Icon」をダウンロード

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