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『Living Together Lounge vol.72』フライヤーこれまた開催からずいぶんと時間が経過してしまいましたが(大汗)、今回のエントリは、2010年12月5日に開催されたHIV啓発イヴェント、Living Together Lounge Vol.72の中で行なわれた、柏本圭二郎(かしもと・けいじろう)さんのライヴの観覧記です。

Living Together Lounge は、新宿 CLUB ArcH を会場に、毎月第1日曜日に行なわれている、Living Together 計画のクラブ・パーティです。「HIVを持っている人も、そうじゃない人も、ぼくらはもう一緒に生きている」というリアリティーの共有をコンセプトに、HIV陽性のかたやその周辺のかたがたの手記のリーディングと、アーティスト/ミュージシャンのかたのライヴ・ステージによって構成されています。

※Living Together 計画のサイトはこちら

12月5日の Living Together Lounge では、圭二郎さんのマネージャーさんも、リーディングで出演されました。

圭二郎さんとの出会い、HIVとの関わり、圭二郎さんの代表曲「世界中のすべてのマリア」が書かれた背景などが、マネージャーさんの口から語られたのちに、その「世界中のすべてのマリア」の歌詞が、朗読されました。

この歌詞の背景には、HIVが深く関わっていたのです。

そして、マネージャーさんのリーディングが終了したあと、間髪を入れずに圭二郎さんのライヴがスタートしました。

私がこれまでに拝見してきた Living Together Lounge では、リーディングの終了後には、DJタイムや司会の張由紀夫さんのMCなどが挟まれてから、ライヴが始まっていました。あくまでも私が観てきた範囲内ではありますが。しかし今回の場合、マネージャーさんのリーディングと圭二郎さんのライヴは、内容の面からも深く結びついていたので、このようなノンストップ構成になったのだと思います。

しかし、私はこの構成の中に、今回のライヴにかける圭二郎さんの意気込みや、思い入れの強さを見たような気がしました。

圭二郎さんのライヴを私が直接拝見したのは、実はこれが初めてです。だから、これまでの圭二郎さんのライヴと比較してどうこうという話は、私にはできないはずなのですが、圭二郎さんにとって、この Living Together Lounge でのライヴは、通常のものとは位置づけの異なる、特別なライヴである――そんな気がしてなりませんでした。

圭二郎さんが「世界中のすべてのマリア」という楽曲に注ぎ込んでいるのと同質の強い思い入れが、Living Together Lounge における今回の圭二郎さんのパフォーマンスの全篇からも、同じようにあふれ出している――私の目と耳には、そのように感じられたのです。

ゲスト・ミュージシャンのみなさんの顔触れの豪華さも、圭二郎さんがこの Living Together Lounge でのパフォーマンスに並々ならぬ気合をもって臨んでいることの表れであると思いました。

藤嶋の大好きなデビュー・シングル「イルミナシオン」でライヴの幕が上がったあとには、C-C-B の関口誠人さんと hajirock さんが登場。このおふたりのギター演奏をバックに、関口さんの書き下ろしによる新曲「キスとチューインガム」が、ここで初めて披露されました。

続いて、関口さんのあまりにも有名な大ヒット曲「天河伝説殺人事件」を、関口さんご自身との共演でカヴァー。八百屋お七(を演じる北島マヤ)のような衣装で歌う圭二郎さん、ステキでした(笑)。

「世界中のすべてのマリア」にアレンジやコーラスで参加されている Taja の田中菜穂さんも、今回のライヴに登場。このライヴの3日後にリリースされた Taja の新曲「Wish Note」を、パワフルにパフォーマンスされました。

そしてクライマックスは、もちろん「世界中のすべてのマリア」。田中菜穂さんのピアノ伴奏による、アコースティック・ヴァージョンです。

ここで圭二郎さんは、MCで次のようなメッセージを一言、私たちオーディエンスに投げかけてこられました。

「自分自身のことを、恨んだりしちゃいけないと思う」


――圭二郎さんは、原則的にはエンタテインメントに徹しておられるかたです。だから、この Living Together Lounge でのMCでも、オーディエンスのみなさんを楽しませることを第一に、コミカルなキャラクターを崩さずにいらっしゃいましたが、Living Together Lounge というHIV啓発イヴェントの場で、「世界中のすべてのマリア」を歌うにあたって、このときばかりは、圭二郎さんの心の奥深くにある熱い思いが、素のままで顔を覗かせたのだと思います。

この一瞬に、私は強く心を打たれました。

「ああ、これが圭二郎さんの素顔なんだ」と。

圭二郎さんご自身が、この日の「世界中のすべてのマリア」のライヴ動画を、YouTube にアップロードされています。ぜひご覧ください。

“世界中のすべてのマリア”
(Live, 2010.12.05)


こうして圭二郎さんの Living Together Lounge ライヴは、感動的に幕を閉じました。

……という展開になるかと思いきや。

まるでCDのシークレット・トラックのごとく、最後にもう1曲、松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」が、大団円として歌われました。

圭二郎さんがこの曲を取り上げた理由、それは実際のMCの中ではあえて語られませんでしたが、この日のライヴの模様について語られている圭二郎さんのブログの記事によると、46歳と言う若さで亡くなられた作曲・編曲の大村雅朗さんへのオマージュだったのだそうです。

この「SWEET MEMORIES」のパフォーマンスにも明らかなように、柏本圭二郎というシンガーさんは、エンタテインメントに徹しているがゆえに、胸の奥深くでたぎっている真摯で熱い思いを、実際のパフォーマンスの現場において、言葉で説明しようとすることはなさいません。

そのかわり。

圭二郎さんは、誠心誠意をもって一つひとつの曲を歌い上げることによって、その歌の背景にある、さまざまな何かを、言葉ではなく圭二郎さん自身の歌声の中から、オーディエンスに感じ取ってもらおうとしている。

そして、言葉ではなくあくまでも歌によって、何かを感じ取ってもらえるシンガーであることを、自らに課している。

柏本圭二郎さんとは、たぶん、そういうシンガーさんです。

そのような圭二郎さんだからこそ。

「世界中のすべてのマリア」を歌われたときにこぼれ落ちたあの一言、「自分自身のことを恨んだりしちゃいけないと思う」というメッセージは、なおのこと一際あざやかに、オーディエンスのみなさんの心に刻みつけられたことと思います。

先にも書いたとおり、私が柏本圭二郎さんのライヴを直接拝見したのは、これが初めてです。だから、これまでの圭二郎さんのライヴと比較してどうこうという話はできないのですが、それでもたぶん、この Living Together Lounge でのライヴは、圭二郎さんのシンガーとしてのキャリアにおける、大切なマイルストーンであったはずです。

感動的なライヴを、どうもありがとうございました!


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2011.02.08 Top↑
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