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といんちピクルスショー フライヤー10月31日は、西麻布にある Rainy Day Bookstore & Cafe にて行なわれた、とんちピクルスさんの5曲入りの新作『RECODAS』のレコ発ライヴ『10" PICKLES SHOW(といんちピクルス ショー)』に足を運んでまいりました。

『RECODAS』は、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さん主宰による ROSE RECORDS から10月10日にリリースされた、アナログの10インチ盤です。取り扱いのある JET SET RECORDS や ROSE RECORDS のオンラインショップでは、店頭発売開始前から既にソールド・アウトという人気ぶり。リリースから1ヶ月を経ずして、あとは店頭かライヴ会場での販売分を残すのみとなっています。アナログ盤ゆえの完全限定生産品なので、とんちピクルスさんのファンのかたは、急いでご購入を! アナログ・プレーヤーが手元になくとも、デジタル版のダウンロードに必要なコードも一緒に封入されているので大丈夫ですよー!

会場の Rainy Day Bookstore & Cafe は、雑誌『SWITCH』や『Coyote』のスイッチ・パブリッシングさん直営のブック・カフェです。東京メトロ表参道駅からは徒歩15分、隠れ家的な雰囲気の洒落たカフェやレストランがあちこちに点在している住宅街の中にあります。文学部の学生にはきっとたまらないであろう、知的で落ち着いた雰囲気の、素敵なカフェです。ちなみに、ここで私が注文したドリンクは、とんちピクルスさんも大絶賛という特製のサングリア。飲みやすくて美味しかったです。

Rainy Day Bookstore & Cafe 店内
※今回のライヴは演奏中の写真撮影は不可だったので、
開演前の店内の様子をば。


今回のレコ発ライヴには、ゲストとして ROSE RECORDS の曽我部恵一さんもご出演。そして、曽我部さんととんちさんが出会うきっかけを作った小池アミイゴさんが、PAやDJ、イラストの上映、さらには鍵盤ハーモニカの演奏で自らもゲスト出演なさるなど、八面六臂の大活躍でした。

全体の構成は、最初にとんちさんのステージ。続いて曽我部さんのステージ。そして後半は、とんちさんと曽我部さんのトーク・ショーからスタート。レーベル運営のあれやこれやについて、とんちさんが曽我部さんにインタヴューするという、興味深い内容でした。そして最後は、再びとんちさんのステージ。

ちなみに私は、曽我部さんのパフォーマンスを生で拝見するのは、今回が初めてでした。不勉強ゆえ、曽我部さんの熱心なファンのかたたちからすれば素人めいたことしか書けないのですが、私が受けた印象を素直に言葉にすると、曽我部さんの歌と音楽は、生きていく上での不安というネガティヴな感情を背景にしつつも、しかしリスナーやオーディエンスの不安を煽るような形ではなく、むしろ励ましたり寄り添ったり、前向きな気持ちにしてくれる、そんな印象でした。今回パフォーマンスされた楽曲の中では、特に「おとなになんかならないで」が説明しやすいのですが、幼い我が子への愛情が優しく感動的に歌われているこの曲の背景にあるのは、実は「いつかはこの子も大人になって、自分のもとから離れていってしまうのだろう」という不安、というか寂しさ、なんですよね。だからこそ、とても切ない。また、ラストに歌われた「満員電車は走る」も、先の見えない人生の不安が歌われているのだけれど、リスナーの不安を煽り立てるような曲ではなくて、リスナーの人生を肯定し、寄り添ってくれる、力強い曲です。だからこそ、精神的な拠り所を求めている人の心に、曽我部さんの歌はザクザクと突き刺さってくる。私は今回のライヴを最前列で拝見していたのですが、この「満員電車は走る」の終盤部分の演奏を生で、しかも最前列で観ると、本当に圧倒されます。すごい体験でした。私と一緒にライヴを観ていた曽我部さんのファンの女性のかたは号泣なさってました。みなさんも、オフィシャルのミュージック・ヴィデオをご覧になって、その凄まじさを是非イメージしてみてください。いや、本当に凄かったんですってば。

曽我部恵一BAND「満員電車は走る」【Official Music Video】(YouTube)



さてさて、私のお目当てであった、とんちピクルスさんのステージ。


第1部では、「遠くでひばりもないている」「抱きしめたい」「果物としてのもやし」「かっこうドライブ」「おちゃめ三度笠」の5曲を披露。

私の知る限り、とんちピクルスさんは、どんなライヴの場合でも、常に初めてのお客さんがいらっしゃることを前提にパフォーマンスをなさいます。インディーのアーティストさんの中には、常連のお客さんしか視界に入っておらず、MCも説明不足で、結果、パフォーマンス全体が内向きに閉じてしまっている人も決して少なくありません。しかしとんちピクルスさんは、オーディエンスのみなさんに対して常に「初めまして」の姿勢を崩しません。今回のライヴでも、その姿勢は貫かれていて、たとえば「抱きしめたい」のパフォーマンスと必ずセットになっている、犬の人形のウクちゃんとの腹話術MCも、やはりいつものように、「ウクちゃんとオーディエンスは初対面」という前提で進められていましたが、さすがに今回はレコ発ライヴだけあって、客席にはとんちさんのライヴの常連さんが多かったらしく、「抱きしめたい」の演奏が終盤に差しかかると、ウクちゃんの登場を待ちかねた女性のお客さんから「ウクちゃーん!」という黄色い声援が飛び出してきたのが印象的でした。

(個人的に、今回のとんちさんとウクちゃんとのやりとりで爆笑したのは、「ウクちゃんはどんな本を読んでるの?」「源氏鶏太」。……って、ウクちゃん、作家の趣味が渋すぎる……。しかも、どさくさにまぎれて「源氏鶏太を知らないやつらなんて」と、オーディエンスに上から目線のウクちゃん。笑えました。)

この「ウクちゃんコール」を始めとして、今回のライヴでは、オーディエンスのみなさんが、とんちさんのライヴではおなじみとなっている楽曲のパフォーマンスや、あるいはお約束となっている展開を、ワクワクしながら待ち構えているという気配があって、それがライヴ全体の雰囲気をアットホームなものにしていたと思います。「かっこうドライブ」のパフォーマンス前には、男性のお客さんが「待ってました!」的なリアクションをなさったり、「おちゃめ三度笠」のパフォーマンスでは、とんちさんがわざわざ煽るまでもなく手拍子が最初から一斉に湧き起こったり。

ちなみに、今回の『RECODAS』に収録されている「かっこうドライブ」の新録ヴァージョンは、歌詞カードには記載されていない部分のヴォーカルのエフェクトが、従来の『DEMODAS2』のヴァージョンからは大幅に変化しているのですが、その部分のヴォーカルの担当はウクちゃんであった(つまり、とんちさんとウクちゃんのデュエット)ということに、私は今回のライヴで初めて気がつきました。



そして、後半は「明日の絵」からスタート。続く「鍾乳洞の長い旅」と、『RECODAS』にも収録されているウクレレ弾き語りヴァージョンの「この世の崖」のパフォーマンスでは、小池アミイゴさんによるイラストのスライドショー映像とのコラボレーションが行なわれました。この2曲が、今回のライヴの白眉であったと、私は思います。

「鍾乳洞の長い旅」という曲は、それをパフォーマンスする際に、たとえ凝った仕掛けを施さずとも、観客を異空間へといざなう力の非常に強い作品ですが、小池アミイゴさんの抽象的な映像がそこに加わることによって、さらに幻惑的な時間と空間が演出されていました。

一方、「この世の崖」でのコラボレーション映像は、抽象から具象に一転して、山手線沿線のスケッチ。ここで上映された映像は、ライヴ終了後に早速 YouTube にアップロードされているので、今回のライヴに足を運ぶことができなかったみなさまも、このコラボレーションが醸し出す、切なくも温かい雰囲気を、ぜひ味わってください。

“この世の崖”
(2012)


映像でのコラボレーションだけでなく、小池アミイゴさんは続く「夢の中でないた」では鍵盤ハーモニカの演奏でゲスト出演。マルチな才能を遺憾なく発揮されていました。

そして最後は、これまた『RECODAS』に収録されている、おなじみの「どうだいドラえもん」。アンコールでは、なんと、あの「ま○こにタッチ」と、「濡れマンボ」がパフォーマンスされました。

場所が非常に洒落た雰囲気のカフェであることと、客席には女性のかたも大変多かったことから、今回のライヴでは「まん○にタッチ」のパフォーマンスはないであろうと踏んでいたのですが、私の予想は気持ち良く裏切られました。私以外の男性客のみなさんも、性的指向を問わず、この曲には大喜び。この日のライヴで最も強く野太い歓声が湧き起こったひとときでした(笑)。

「濡れマンボ」のパフォーマンスでは、とんちさんが曲名を口にする前から、「男と女の機微を~」という前口上の段階で、客席からは「おお~っ」という歓声が上がり、ここでもやはり、今回の客席にはとんちさんのライヴが大好きなみなさんが集結しているのだなー、ということを実感。

とんちピクルスさんのファンにはたまらない、素敵な一夜でありました……!

『RECODAS』ジャケット




今回のライヴで、とんちさんからいただいたスタンプカード。
スタンプがいっぱいになると、プレゼントがもらえるそうです。
スタンプカード 表 スタンプカード 裏
がんばって貯めよっと。(・∀・)9




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2012.11.04 Top↑
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