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アメリカのゲイ向けポータル・サイト、EDGE on the Net は、政治やビジネスに関するニュースも掲載されてはいますが、中心となっているのは、全米各地のナイトライフ情報。

写真によるイヴェント・レポートも非常に充実していますが、これもやはり、多くはクラブ・イヴェントのものです。

昨年末には全米各地でニュー・イヤーズ・イヴ関連のクラブ・イヴェントが開催されたようですが、それらの様子も EDGE on the Net ではフォト・アルバム形式で紹介されています。そのフォト・アルバム群を眺めていて、ひときわ強く私の目を惹きつけたのが、今回紹介するサー・ジェット (Sir JET)というシンガーです。

サー・ジェットは、ロサンゼルスを拠点としている、オープンリー・ゲイのシンガーです。昨年末の12月29日に行なわれた Anthem Saturdays というクラブ・イヴェントでのライヴの模様が、EDGE on the Net で紹介されていました。

Sir JET Live At Anthem Saturdays @ MJ's Bar :: December 29, 2012 (EDGE on the Net, 2012.12.31)

このフォト・アルバムを見て私は初めてサー・ジェットのことを知ったのですが、これがなかなかインパクトのあるヴィジュアルでした。

こんな感じ。
Sir JET Live At Anthem Saturdays @ MJ’s Bar


たくましく鍛え上げられた男性の肉体美を誇示しつつ、その男性の肉体美を装飾しているのは、女性用のファッション・アイテムとメイク。

こうしたスタイルのパフォーマーは、トランスヴェスタイトとはまた違いますが、強いて分類するならばドラァグ・クイーンに属します。このスタイルは何もサー・ジェットの専売特許ではなく、有名なところではケヴィン・アヴィアンスや、近年では日本で人気のジョンテ☆モーニングなども、男性のたくましい肉体美の誇示と女性用のグラマラスなファッション・アイテムの融合スタイルの持ち主です。

こうしたスタイルのドラァグ・パフォーマーの多くは、実は黒人のアーティストです。その理由はわかりませんが。

それなので、白人のサー・ジェットは、私には非常に珍しいタイプのアーティストに思えたのです。鍛えられた肉体美を誇る白人ゲイ・シンガーは、大抵は野郎っぽさを強調しているので。

サー・ジェットの経歴について調べてみると、そのステージ・ネームとヴィジュアルが次々と変遷しているところも、興味深い点でした。


彼はまず2004年に、ジェット・カナシ (Jet Kanashi)名義で、ヌード・モデルとしてキャリアをスタートさせています。カナシという姓は、どうやら日本語の「かなしい」に由来しているらしく、2007年には『Enjoy The Sadness』というタイトルのアルバムをリリースして、シンガーとしてもデビューを飾っています。

Jet Kanashi - Enjoy The Sadness
『Enjoy The Sadness』


2009年にはジョエル・エヴァン (Joel Evan)に改名して、アルバム『Embracing the Light...and then some』をリリース。そしてさらに現在は、ジョエル・エヴァン・タイ (Joel Evan Tye)a.k.a.サー・ジェットとして活動しています(たぶん、モデルの仕事はジョエル・エヴァン・タイ名義で、音楽活動はサー・ジェット名義、といった具合に二つの名前を使い分けているのではないでしょうか)。

名義の変遷に伴って、彼のヴィジュアルも大きく変化しています。

ジェット・カナシ時代は、肉体派のさわやか青年という感じ。
ジェット・カナシ


ジョエル・エヴァン・タイは、
ヒゲを伸ばして、よりワイルドなイメージ。
ジョエル・エヴァン・タイ


そしてサー・ジェットのときには、マッチョかつグラマラスに。
Sir JET 1

Sir JET 2

Sir JET 3


この現在のスタイルは、昨年9月にリリースした最新シングル「Shout-Out to the Lonely」のテーマに則ったものであり、そのテーマは一昨年12月に上梓された著書『I'm Enough: How to Live Life like a Popstar and Find Your True Self in the Process』のコンセプトを基にしているそうです。この本についてのサー・ジェットのインタヴューによると、この本では、自身の性への不安から広場恐怖症になり声が出せなくなった体験と、それを克服し、本来の自分に気づくまでの過程が綴られているのだそうです。

SIR JET: I'm Enough - How To Live Life Like A Popstar (Gay West Hollywood, 2012.02.08)

また、ReverbNation.com のサー・ジェットのページに掲載されている彼のバイオグラフィーによると、二十歳で声を取り戻すまで、回復には十年近い時間がかかったそうです。そのため、サー・ジェットはかつての自分と同じように性の不安に苦悩している人々を助け、本来の自分を見つけられるように励ますことを自分の使命だと考えているのだそうです。

男性性と女性性をミクスチャーしたサー・ジェットのヴィジュアルは、非常にキッチュで、かなり作り込んでいる印象ではあるのですが、実はジェンダー不安を克服した彼の、あるがままの姿――その内面には男性も女性もいる、という――であり、そしてオーディエンスに向かって、あるがままの自分でいても構わないのだというメッセージを投げかけている、私はそう思いました。

ジェット・カナシ時代からサー・ジェットへと至る、彼のヴィジュアルの変遷は、おそらく、あるがままの自分を彼が少しずつ取り戻していく、その過程を表わしているのかもしれません。



それでは最後に、「Shout-Out to the Lonely」のミュージック・ヴィデオをご覧ください。監督は、マドンナのブロンド・アンビション・ツアーとガーリー・ショー・ツアーに参加していたオープンリー・ゲイのダンサー、カールトン・ウィルボーンが務めているそうです。



"Shout-Out to the Lonely"
(2012)



iTunes - ミュージック - Sir Jet「Shout-Out to the Lonely - Single」




サー・ジェット Facebook
http://www.facebook.com/sirjoelevantye



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2013.01.15 Top↑
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