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『老女優は去り行く―美輪明宏のすべて』ジャケット昨年末のNHK紅白歌合戦における美輪明宏さんのステージへの反響について記した、当ブログの今月8日のエントリで、私は次のように書きました。

「どうやら2013年は、『タレント・美輪明宏』ではなく『歌手・美輪明宏』の再評価が進む年となりそうな気がします。」

しかし、どうも私の期待していたのとは違う方向に再評価が進んでしまっているようだ、という感触が、ここのところ強まっていました。

たとえば、1月25日にTBS系列で放映された『中居正広のキンスマスペシャル』では、昨年末の紅白で最も視聴者の印象に残った2組のアーティストとして、美輪さんとゴールデンボンバーが特集されましたが、密着取材が行なわれたゴールデンボンバーに対して、美輪さんの出演部分は、2007年12月28日に放映された『金スマSP』のVTRが再使用されただけで、新規に収録された美輪さんの映像はありませんでした。

その2007年の映像も、いかにも民放のバラエティ番組的な、過剰な煽り演出によって、既に充分語られてきた美輪さんの半生を紹介するというもの。これといって目新しい話題は、やはり何もありませんでした。(50年近くも前から同性愛をカミング・アウトしていらっしゃる美輪さんに向かって、「禁断の質問」という煽り文句で、「あなたの恋愛対象は男性なのですか?」としつこく聞いているのには本当に呆れましたが。)

24日に発売された『週刊文春』の1月31日号には、「美輪明宏『養子』の正体」という、いかにもスキャンダルのように煽り立てた見出しで、美輪さんのプライヴェートに関する記事が出ました。しかし、これもやはり誌面の大半は美輪さんの半生について割かれていて、養子うんぬんという話題に関しては、週刊文春 WEB に掲載されている抜粋記事を読めばそれで充分、という程度の内容です。

「ヨイトマケの唄」が再びヒット 美輪明宏に養子がいた!(週刊文春 WEB、2013.01.23)

あえて補足するなら、養子に入られたという男性は美輪さんの所属事務所の社長さんです。同性婚としての養子縁組ではありません。見出しにあるようなスキャンダラスな要素は何もなく、美輪さんご自身も堂々と取材に応じていらっしゃいます。



今回の美輪さんブームというのは、『キンスマスペシャル』のナレーションの中でも語られていたように、美輪さんが歌手だということをこれまで知らなかった層(特に若い層)が、美輪さんの紅白でのステージに衝撃を受け、これを絶賛したことによって形成されています。

つまり、25日放送の『キンスマスペシャル』も、『週刊文春』の1月31日号の記事も、美輪さんが歌手だということを知らなかった層を主なターゲットとしているのであって、だからこそ、そうした層に向けて、これまでにも既に充分語られてきた美輪さんの半生が、こうやってまた改めて語り直されている、ということなんだろうと思います。

そのこと自体は、悪いことではないと思います。『キンスマスペシャル』にしても『週刊文春』の記事にしても、扇情的な装飾がずいぶんと過多ではありますが、新しいファンのみなさんに美輪さんのことをより深く知っていただくには、これは良い機会なんだろうとは思います。

ただ、私が期待していた「歌手・美輪明宏」の再評価というのは、それとは違ったんですね。

たとえば廃盤になっていた美輪さんの過去の作品が再発されたりとか、あるいは未CD化だった音源が復刻発売されたり、といったような、これまで埋れていた作品群に改めて光が当たるようになること、だったんです。

ところが。

テレビや週刊誌などのマス・メディアの関心は、少なくとも現時点では、美輪さんの半生やプライヴェートにばかり向けられていて、「ヨイトマケ」以外の美輪さんの作品には関心を示していません。

結局のところ、このひと月のあいだにマス・メディアが報じてきた美輪明宏ブームというのは、やっぱり「タレント・美輪明宏」の再評価であって、「歌手・美輪明宏」の再評価ではなかったように思います。

しかし、どうやら私はせっかち過ぎたようです。

「歌手・美輪明宏」の再評価をあきらめてしまうには、まだ早かった。

私が期待していた形での、「歌手・美輪明宏」の再評価が、始まっていました。



まず、1月30日付で毎日 jp(毎日新聞)に掲載された記事によると、『美輪明宏全曲集』のCDの出荷数が、昨年12月下旬に比べて5~8倍になっているとのことです。

美輪明宏さん:「世間がついてきた」紅白に若い世代も衝撃(毎日 jp、2013.01.30)

テレビや週刊誌が美輪さんの半生を扇情的に取り上げることにばかり夢中になっていても、ユーザーはあくまでも美輪さんの作品そのものを求めている、ということがよくわかる数字です。

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そして、ついに、1月29日付で、美輪さんのライヴ盤の再発のニュースが報じられました。

「ヨイトマケの唄」も収録、美輪明宏1977年のライブ盤が初CD化(BARKS、2013.01.29)

私が待っていたのは、まさにこうした形での再評価なんです。

「歌手・美輪明宏」の歌が、時の流れに埋もれてしまうことなく、一人でも多くのかたがたの耳に触れること、そして愛されること。

それこそが、私の待ち望んでいたことなんです。

既にCD化されている美輪さんのライヴ盤としては、1981年9月に銀座・銀巴里にて行なわれたライヴを収録した全9曲入りの『喝采/美輪明宏銀巴里ライブ』があります。今回初めてCD化される『老女優は去り行く―美輪明宏のすべて』は2枚組。しかもボーナストラックが2曲収録されるそうです。

昨年末の紅白をきっかけに美輪さんのファンになったというかたには、2枚組というヴォリュームは、入門編とするには多過ぎるように感じられるかもしれません。しかし、紅白でのステージの感動を追体験するには、スタジオ盤よりもライヴ盤のほうが適していると、私は思います。

コレクターズ・アイテムとしても非常に魅力的な内容の『老女優は去り行く―美輪明宏のすべて+2』ですが、新しくファンになられたみなさんにも、ぜひ手にしていただきたいアルバムです。

と、リリース前から力説してしまう、せっかちな私です。



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2013.01.31 Top↑
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