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第三回「だしょっ!」フライヤー今回のエントリも、開催から既に長い時間が経ってしまっているライヴの観覧記です。話題にする旬の時期を大幅に外してしまいました。すみません。

前々回のエントリは、観覧記と銘打ちつつも、実質的には評論でしたが、今回のエントリは、本当に普通の観覧記です。

去る3月31日(日)に、新宿二丁目のバー、がいずばを会場に、ライヴ・イヴェント『第三回「だしょっ!」』が開催されました。

その内容は、かつての日本のゲイ・インディーズ・シーンで活躍していたデュオ・ユニット、てるけん。のヴォーカリストであった、こるてさんのワンマン・ライヴです。

てるけん。は、当時は teruco 名義で音楽活動をされていたこるてさんと、現在では sola さんを始めとする数々のゲイ・ミュージシャンのサポート・ピアニストとして大活躍をなさっている、けんけんさんのおふたりによるユニットです。

てるけん。の詳しいバイオグラフィーは、つい先日に公開を再開したばかりの Queer Music Experience.本編に掲載してあります。こるてさんとけんけんさんのおふたりの、てるけん。時代をご存知ないというかたは、ぜひ参照なさってみてください。

てるけん。バイオグラフィー (Queer Music Experience.)

てるけん。は、2005年のあたりからその活動を休止していましたが、今回の第三回「だしょっ!」の第1部は、けんけんさんを迎えての、てるけん。の再結成ライヴ。そして第2部は、Mr.Children のカヴァーや、こるてさんがてるけん。休止後に結成なさったもう一つのデュオ・ユニット、メレンゲパンチの2006年のシングル曲「ヒルガオのブルース」、およびそのカップリング曲「ユメビト」などからなるソロ・ステージ。合わせて計14曲が披露されました。

ちなみに、メレンゲパンチは、福岡のゲイ・インディーズ・シーンで活躍していたデュオ・ユニット、SoulmateS のメンバーであり、現在は蛇子としてソロ活動をなさっている Cookie さんと、こるてさんのおふたりによって結成されました。遠距離ユニットのため、てるけん。ほどにはライヴ出演の機会は多くなく、私が「ヒルガオのブルース」を生で聴いたのも、この日が初めてでした。嬉しかったです。

「ヒルガオのブルース」ジャケット
「ヒルガオのブルース」ジャケット


さて。

この日のライヴにいらっしゃったお客さんのうち、てるけん。時代のこるてさんをご存じないお客さんがたにとっては、第1部のてるけん。再結成ライヴは、むしろ新鮮に感じられたことと思います。あるいは、以前にてるけん。のライヴをご覧になったことがあるというお客さんの場合でも、てるけん。のオリジナル楽曲を耳にするのは、ほぼ10年ぶり、というかたが、ほとんどだったのではないかと思います。

というのも、これまでにてるけん。がリリースしたCDは、シングルが1枚のみ。しかも博多のゲイ・インディーズ・ライヴ・イヴェント、Sound Summit 2004の会場限定販売。それほど数が出回ったわけではありません。したがって、てるけん。の活動休止後も、その楽曲の音源を愛聴し続けていたというかたの数は、残念ながらそれほど多くはないのがたぶん実状で、だからこそ今回てるけん。のおふたりは、会場にいらっしゃるお客さんがたが、かつてのてるけん。をご存知ないという前提のもとに、パフォーマンスをなさっていました。

しかし、私にとって、てるけん。のオリジナル楽曲の数々は、長年に渡って親しんできた、非常に馴染みの深いものばかりでした。

実は私は、Sound Summit 2004の会場には足を運べなかったにもかかわらず、シングル「路傍の華/願いを込めて」を、ちゃっかり購入しているのですね(どのような経路で購入したのかは、実は記憶が曖昧なのですが、たぶん、こるてさんやけんけんさんから直接購入したのではなく、このCDの制作に深く関わっていたゲイ・ミュージシャンの、清廉さんにお願いして、特別に購入したのだと思います)。

「路傍の華/願いを込めて」ジャケット
てるけん。「路傍の華/願いを込めて」ジャケット


また、「足音」「雨上がり」「花火」「春を待つ人」といった楽曲は、実は以前にこるてさんがソーシャル・メディアの日記の中で、それらの楽曲のデモ音源をダウンロードできるようになさっていたことがあったんですね。私はそれらをすべてダウンロードして、ちゃんと保存しておいたんです。

それらのデモ音源と、シングル盤に収録されている2曲は、今でも私のスマートフォンの中に収まっていて、いつでも楽しめるようになっています。

つまり、今回のてるけん。再結成ライヴは、私にとっては、「日頃からCDや MP3 音源でずっと親しんできた楽曲を、ほぼ10年ぶりに、生で聴くことができた」、という種類のライヴ体験だったのです。

だから、感慨もひとしおでした。

加えて、「足音」や「花火」といった楽曲には、ある思い出がまつわっているのです。

今回、てるけん。のおふたりは、先述したように、会場のお客さんがたが、かつてのてるけん。をご存知ないという前提のもとにパフォーマンスをなさっており、そのMCでは、てるけん。結成の経緯や、当時のエピソードなどが披露されていたのですが、「足音」の曲紹介の中で、けんけんさんが、客席にいる藤嶋のほうを示して、

「この曲は、そこにいるちーな(普段、けんけんさんは藤嶋のことをこう呼んでいます)がヒントをくれたことで、できあがった曲です」

というエピソードを紹介してくださったのです。

そのエピソードは、やはり Queer Music Experience.に掲載している、第9回 Ball de Musa のライヴ・レヴューの中にも記しています。関心のあるかたは、そちらもご覧になってみてください。

第9回 Ball de Musa (Queer Music Experience.)

私は、けんけんさんが当時のことを今でも覚えていてくださったこと、そしてライヴのお客さんにそれを語ってくださったことが、とても嬉しかったのです。

ありがとう、けんけん。

……なんだか私とてるけん。との関わりを自慢しているみたいになってしまっていますが、私が今回の観覧記で書きたかったことというのは、今回のてるけん。再結成ライヴは、かようにして私には非常に思い入れの深いものであった、ということなんです。



てるけん。のステージ終了後は、休憩を挟んで、こるてさんのソロ・ステージとなる第2部がスタート。けんけんさんは客席へと移り、今度はギター+カホンのやちじゅんさんのおふたりが、サポートに加わりました。

ここでは先述したように Mr.Children のカヴァーなども披露されましたが、総じてブルースの影響が色濃いステージとなっていたように、私には感じられました(「ヒルガオのブルース」は、日本の歌謡曲でいうところのブルースでもありますが)。

teruco & kenken として音楽活動を始めたばかりのころのこるてさんは、R&B系の女性ヴォーカリストに影響を受けたという、伸びやかなヴォーカルが持ち味でしたが、そこに次第にアーシーなテイストが加わって、現在ではブルース風のヴォーカル・スタイルへと変化を遂げています。そのブルースへの傾倒が、ヴォーカルだけではなく楽曲そのものにも現れ出ているのが、てるけん。活動休止後のこるてさんのオリジナル曲の特徴であるような、そんな印象を私は受けました。

こるてさんご自身は、MCの中で、「第1部は、しっとりとした暗めの曲が中心で、第2部はもう少し明るめの曲が中心」といったような趣旨の言葉で、カラーの違いを説明なさっていましたが、その違いを左右していた要因は、単に雰囲気が明か暗かというだけでなく、ブルース色がどれだけ前に出ていたかという点にもあり、こるてさんのヴォーカルそのものは一貫してブルースのスタイルであったことを考えると、この違いは、やはりけんけんさんの演奏とアレンジの力によってもたらされている、と私は思います。

てるけん。というユニットのユニークなところは、R&Bやブルース、ジャズなどの黒人音楽に強い影響を受けているこるてさんと、演奏家としては宗教音楽をルーツとしているほかにも、日本の国民的歌手であった美空ひばりさんを敬愛していたというけんけんさんによる、音楽的背景の全く異なるおふたりの組み合わせであることです。この組み合わせによって、ブルースの乾いたタッチに、より日本人好みのする、程好い湿度が加えられている、それが、てるけん。ならではの味わいであり魅力であると、私は感じています。



ライヴの翌日、こるてさんはツイッターで、これからの音楽活動は、オリジナルの楽曲が中心となっていくこと、そしててるけん。としての活動も継続していくことをツイートなさいました。

ソロとしても、てるけん。としても、引き続きのご活躍を、期待しています!

こるてさん




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2013.06.09 Top↑
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