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既に日本の複数のニュース・サイトでも報じられているので、ご存知のかたも多いことと思いますが、アジア人アーティストとしては初めて、アメリカの『Billboard』誌のアルバム・チャートの Top10に作品を送り込んだ、フィリピンの女性シンガー、シャリース (Charice)が、レズビアンであることを公的に認めたそうです。

歌姫シャリース、レズビアンだとカミングアウト(シネマトゥデイ、2013.06.03)

日本のニュース・サイトにシャリースの記事が掲載されるとき、多くの場合は、彼女のことを「人気ドラマ『Glee』にも出演したシャリース」と紹介しているんですが、実は私は『Glee』を観たことがなかったりします。

だから、私がシャリースの名前を聞いてパッと最初に思い浮かべるのは、『Glee』ではなく、冒頭にも書いたように、アジア人アーティストとしては初の全米アルバム・チャート Top10ヒットとなった、ワールド・ワイド・デビュー作『シャリース (Charice)』と、そこからのヒット曲「ピラミッド(feat.アイヤズ) [Pyramid (feat.Iyaz)]」です。

"Pyramid (feat.Iyaz)"
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さて、彼女のカミング・アウトについてなんですが。

私は確かに、アーティストの性的指向に焦点を合わせた音楽サイトおよびブログを運営している人間です。

が、

アーティストがカミング・アウトしたというニュースに関心はあっても、性的指向を「憶測」するだけのゴシップ記事には、ほとんど関心がないんですよ。

本人が秘密にしたがっているものを、赤の他人がほじくり返すのは、悪趣味だと思うので。

だから、シャリースの性的指向を「憶測」する声があっただなんて、私は全く知りませんでした。

ゆえに、彼女のカミング・アウトを報じた、6月3日のシネマトゥデイの記事を初めて読んだときには、私は、やや唐突な印象を受けたのです。

いったい何がきっかけとなって、そのような噂が拡がっていったのか。そして何がいったい彼女にカミング・アウトを決意させたのか。それらについて、記事ではほとんど触れられていませんでした。

そこで、自分でもインターネットで調べてみたのですが、彼女の性的指向をめぐる噂は、今年に入ってから拡がったのだそうです。きっかけは、シャリースが長い髪の女性と寄り添うようにして一緒に写っている画像がネット上に流出、ツイッターで拡散されたことでした。

そうしたカミング・アウトに至るまでの経緯も含め、シャリースのこれまでの経歴を、Queer Music Experience.に新しくバイオグラフィーとしてまとめたので、そちらもぜひ参照なさってみてください。

シャリース バイオグラフィー (Queer Music Experience.)

このバイオグラフィーにも記載していますが、シャリースは、今年に入ってから、その長かった髪をバッサリと切り落とし、さらには腕にタトゥーを入れるなどして、ファッションの傾向が急激に変化し、そのことで物議を醸していたようです。しかし、ツイッターで拡散された件の画像のシャリースは、単に髪が短いだけでなく、明らかにダイク風のファッションをしていたため、「シャリースはレズビアンではないのか? シャリースと一緒に写っている女の子は、彼女の恋人ではないのか?」という憶測が、ここから一気に拡がってしまったらしいのです。

この騒動が起こったのが、今年の4月。

そしてカミング・アウトが6月です。

「憶測」が始まってからカミング・アウトに至るまでの時間は、同じような騒動に巻き込まれた欧米のアーティストのケースに比べると、実は、かなり短い。

そのことが、私には気になりました。

おそらく、今回のシャリースのカミング・アウトは、適切な時期を周到に見計らって行なわれたものであるというよりは、騒動を収束させるために、仕方なく行なわれたものではないか、という気が、私はします。

レズビアンであることを認めない限り、いつまで経っても騒ぎは収まりそうにない、という。

彼女はインタヴューの中で、涙を浮かべながら、家族に対して申し訳ないという気持ちや、彼女のカミング・アウトを受け入れられないファンに向けて謝罪の言葉を述べたそうなんですが、そうした悲壮感の漂う内容から考えても、今回のカミング・アウトは、彼女自身が積極的に望んだものではないという印象を受けるんです。

彼女のカミング・アウトを報じているフィリピンのニュース・サイトの記事を読むと、今回のインタヴューの中では、彼女が審査員を務めているフィリピン版『X Factor』の出場者の女性との関係についてまで、司会者の質問は及んでいるんですね。フィリピンのマス・メディアやネットユーザーによる詮索は、かなり容赦のない、熾烈なものであったろうことがうかがえます。

インタヴューに応えるシャリース
涙を浮かべながらインタヴューに応えるシャリース
(画像は ABS-CBNnews.com より)


ただ、その一方で。

彼女が本気で性的指向を秘密にしておきたかったのならば、今年に入ってからの急激なイメージ・チェンジは、あまりにも大胆かつ無防備であったようにも思うんですね。

たぶん、彼女の中では、レズビアンである自分を偽りたくないと思う気持ちと、レズビアンであることを隠しておきたい気持ちが、激しくぶつかり合っていたのではないでしょうか。そして、前者の現れが、今年に入ってからの急激なファッションの変化であり、後者の現われが、家族やファンへの謝罪の言葉であったのではないでしょうか。

そんな気が、私はします。

もちろん、これもまた悪趣味な「憶測」の一つでしかないのですが。



フィリピンのニュース・サイトを読んだ限りでは、現在のシャリースのキャリアは、本国フィリピンでも、いささか停滞気味のようです。特に、今年に入ってからの彼女の急激なイメージ・チェンジは、浮動層には好意的に受け止められたとは言えず、そんな時期に行なわれた今回のカミング・アウトは、先述したとおり、適切な時期を見計らって行なわれたというよりは、突き上げられた末のものという色彩が強いので、彼女自身が危惧しているように、これによって離れていくファンの数は、残念ながら少なくないように思います。

しかし、彼女の勇気に感銘を受けたという人の数は、それ以上にあるはずです。

彼女がフィリピンの国民的なスターであるからこそ、そんな彼女のカミング・アウトは、フィリピンのLGBT事情にとって、きっと大きなプラス材料となってくれるはずです。



日本でも高い人気を誇っている、フィリピンが生んだ世界の歌姫、シャリース。

日本のファンの一人として、私はこれからも、彼女を引き続き応援していこうと思います。

このブログをご覧になってくださっているみなさまも、ぜひシャリースを応援してください。



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2013.06.12 Top↑
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