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モリッシー自伝『Autobiography』表紙 当人の口からは性的指向が明かされていないのに、世間からはオープンリーのLGBTと見なされているシンガー/ミュージシャンは、もちろん海外にも存在しています。

 80年代から今日まで、カリスマ的な人気を長く保持している、イギリスのロック・アーティスト、モリッシー (Morrissey)も、その一人です。

 私は学生のころからのモリッシーの大ファンなので、彼についてもいろいろと熱く語りたいのですが、モリッシー本人はゲイであることを否定しているので、当ブログや親サイトの Queer Music Experience.では、モリッシーの話題にはそれほど触れてはいません。

 が、今回のエントリはモリッシーの性的指向についての話題です。

 アメリカのメジャー・ゲイ雑誌『Out』の公式サイトに、モリッシーについての記事が、以下のような見出しで、昨日(2013年10月21日)、掲載されました。

Morrissey: I’m Humansexual (Out Magazine, 2013.10.21)

 この記事の内容を大まかに説明すると、既に日本の音楽ニュース・サイトでも話題になっているように、モリッシーの自伝『Autobiography』が、今月17日、イギリスでついに発売となりました。(アメリカでの発売はないそうなので、邦訳の出版もあまり期待はできなさそうですが。)

10月30日追記29日付の『Out』誌の記事によると、『Autobiography』のアメリカでの刊行が、どうやら決定した模様です。)

AutobiographyAutobiography
(2013/10/17)
Morrissey

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 この自伝の中で、モリッシーは、彼のパートナーと言われているジェイク・オーウェン・ウォルターズとの関係について、言及しているんだそうです。件の記事では、次のような一文が、自伝本文から引用されています。

「僕の人生で初めて、不変の“僕”が、“僕たち”になる。ようやく僕は、誰かと一緒に暮らしていけるんだ。」


 当然、これはモリッシーのカミング・アウトだとも受け取れるため、自伝発売の同日には、このことを大きく報じる記事が『Out』誌の公式サイトには掲載されました。

Morrissey Opens Up (Kind Of) About His First Relationship With A Man (Out Magazine, 2013.10.17)

 ところが。
 21日付の『Out』誌の記事によれば、自伝の中でのウォルターズとの関係の描写は、上に引用した一文も含め、「それが性的なものであろうとなかろうと、非常に曖昧なまま」なのだそうです。

 こうした批判を受けてのことなのかどうかはよくわかりませんが、モリッシーは彼とファンとが交流を行なうオンライン・ファンジン『True To You』を通じて、次のような声明を出しました。

「あいにくだけど、僕はホモセクシュアルじゃない。厳密に言うと、僕はヒューマンセクシュアルだ。人間らしさに魅かれるんだ。だけど、もちろん……そんなことは滅多に起こらないんだけどね。」


Statement (True To You, 2013.10.19)

 ――こういう韜晦にイラッとくる、という人も、少なからずいらっしゃるような気がします。たとえば、件の21日付『Out』公式サイトの記事では、『True To You』を通じてのモリッシーの声明を、「(モリッシーの性的指向を明らかにする上で)とても有益だとは言えない」と評しています。

 しかし、彼の長年のファンである私は、この声明を読んで、「ああ、モリッシーは、たとえパートナーとの幸せな生活を手に入れても、やっぱりファンが愛し続けてきたモリッシー像のままでいるのだなあ」と、安堵すら覚えてしまいました。

 今回のモリッシーのように、同性とのパートナーシップを自ら明かしていたり、あるいは公的に認めていたりはしていても、自身が同性愛者であることは否定するシンガー/ミュージシャンは、他にはサマンサ・フォックスやアリソン・ゴールドフラップなどの例があります。

サマンサ・フォックス バイオグラフィー (Queer Music Experience.)

アリソン・ゴールドフラップ バイオグラフィー (Queer Music Experience.)

 彼らがしているような種類の説明の仕方を、胡散臭く感じるかたたちも多かろうとは思います。が、自分の性的指向を決めることができるのは本人だけである以上、モリッシーの性的指向は、ホモセクシュアルではなく、彼の言葉に従うならば、ヒューマンセクシュアルということになるのだと、私は彼の言葉を、そのまま受け止めています。

 性のあり方は、人によってさまざまです。アセクシュアルやクエスチョニングとはまた別に、ヒューマンセクシュアルという性的指向の考え方があっても、別に構わないと私は思っています。

 だって、人は、いつ、どこで、どんな人と、どんな形で恋に落ちるのか、人によって千差万別で、そのドラマに、同じ形は一つとしてないのですから。

 ヒューマンセクシュアル、大いに結構じゃないですか。私はそう思いますよ。



"Glamorous Glue"
グラマラス・グルー
(1992)




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2013.10.22 Top↑
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