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10月15日付のYahoo!ミュージックの記事で、初めてFutonというバンドのことを知った。

無国籍、無性別?! 謎のバンドFutonがリリース!
http://music.yahoo.co.jp/rock/music_news/barks/20051015/lauent010.html

記事の冒頭にある、
「無国籍、無性別(ゲイあり!ヘテロあり!)のとんでもない奴らが、日本に乗り込んできた!」
という1文が気になり、avexの日本語公式サイトを見てみた。

http://www.avexnet.or.jp/futon/

このavexの公式サイト、すごいですよ。

なにがって、情報の出し惜しみっぷりが。

試聴データも、今のところは1曲のみ。

情報の露出を極度に抑えることで、リスナーの興味を煽る戦略か。

avexのことだ、きっとそうに違いない。

ならば、自力で調べてやる。

そう思い、いろいろとインターネットで検索してみた。


結果。

タイ在住の日本人女性の方が運営しているサイトの中に、Futonのヴォーカル、モモコのインタヴューが掲載されているのを発見した。たぶん、これが今現在、Futonについて最も詳しく書かれた日本語の記事だろう。

インターネット万歳。ぜひご一読を。

ぽめこのタイ壺 Futonのモモコさんにインタビュー!
http://www.bangkokshuho.com/rensai/pomelo/geinou8.htm

なお、記事中にある、Futonの公式サイトのアドレスだが、リンクが切れている。本格的な日本進出にあたり、avexのサイト1本に絞ったのかもしれない。憶測だが。
(10月21日追記:本国の公式サイトが復活していました。
 http://www.xfuton.com/



さて、このFutonには、2003年に解散したイギリスのロック・バンド、スウェードのドラマーだった、サイモン・ギルバートが加入している。

Futon
(右端がサイモン・ギルバート)



サイモンはオープンリー・ゲイで、1995年に、ゲイ・バーから出てきたところを襲われて殴られるという、ゲイ・バッシングの恐ろしい被害体験も持っている人だ。

スウェードは、1992年のデビュー当時は、ヴォーカルのブレット・アンダーソンが、耽美的な同性愛のイメージを強く前面に押し立てていた。

デビュー・アルバム『Suede』のジャケット
Suede
ビアンのキス・シーンです。


スウェードのデビュー・シングル「The Drowners」は、近親相姦に耽る兄弟のことを歌っていた。また、初の全英トップ10ヒットとなった「Animal Nitrate」も、兄からの性的虐待を扱っていた。

その耽美でスキャンダラスな作品世界と、なまめかしいブレット・アンダーソンのキャラクターには、藤嶋も大いに惹かれていた。

しかし、しばらくしてから、メロディ・メイカー誌の1992年のインタヴューでの、ブレットのセクシャリティに関する発言を知ってからは、彼のことを冷めた目で見るようになった。

そのインタヴューの中で、ブレットは自分のことを、こう語っていた。

"I am a bisexual man who has never had a homosexual experience."

(僕は、まだ同性愛経験の一度もないバイセクシャルだ)


なんだそりゃ、って感じです。

だって、どう考えたって、この発言は胡散臭い。

もちろん、同性愛経験のないバイセクシャルの人たちだっているだろう。むしろ、そういった人たちのほうが、実際に同性愛体験のあるゲイやバイに比べて、はるかにたくさんいるに違いない。

というのも、自身の同性愛を自覚はしていても、何らかの理由で行動に移せないという人のほうが、実際には多いはずだからだ。

が、しかし。

そのような人たちが、はたしてブレットのように同性愛のイメージを前面に出すことは、ありうるだろうか?

あれだけ堂々と、しかも扇情的に、同性愛のイメージを前面に押し立てていながら、その当人が「同性愛経験の一度もないバイ」というのは、どう考えても不自然だ。

結局、ブレット・アンダーソンは、かつてのデヴィッド・ボウイと同じように、エキセントリックなスターのイメージを作るために、同性愛を利用しているだけなのではないか。

藤嶋は、そう考えるようになった。



案の定と言おうか。

その後、そうしたブレットのイメージ戦略を嫌悪した、ギタリストのバーナード・バトラーが、94年にブレットと喧嘩別れして、バンドを脱退してからは、ブレットのイメージは、大きく変化した。

それまでの耽美でエキセントリックな要素は、ブレットから拭い去られていった。

バイセクシャルのイメージは、ブレットの上から消えた。



そんなブレットのバンド仲間であったサイモンが、いつ公にカミングアウトしたのか、藤嶋には調べがつかなかった。

いつカミングアウトしたかはさておいて、真性のゲイであるサイモンの目から見て、スターのイメージ作りのためにセクシャリティを弄んでいたブレットは、いったいどのような人物に見えていたのだろうか。藤嶋は、まだサイモンのインタヴュー記事を読んだことがないので、そのあたりはわからない。



2003年のスウェード解散後、ブレットはバーナードとの仲を修復し、ザ・ティアーズを結成して、現在も第一線で活躍中である。

一方、サイモンはイギリスを離れ、バンコクに移り住んだ。

そして、そこでFutonに出会った。

話題づくりのために同性愛を弄んだスウェードよりも、Futonのほうが、オープンリー・ゲイのサイモンには、たぶん居心地がいいんじゃなかろうか。

そんな気が、藤嶋はしている。

FutonのCDを、手にとって聴いてみようと思う。





以下は、追記です。

Futonのメンバーの1人、Beeが、ニュー・ロマンティック全盛期に登場したバンド、パナッシュの、ポール・ハンプシャーと同一人物だということを知って、かなり驚いた。

現在のBee
Bee

パナッシュ時代のポール・ハンプシャー
ポール・ハンプシャー
女性にしか見えない。


パナッシュはイギリスのバンドなのだが、作品は日本でしか発売されず、本国でのデビューは果たせなかったという、悲運のバンド。

ポール・ハンプシャーは、パナッシュ解散後は、インダストリアル・ミュージックの創始者で、イギリス音楽界のカルト王だの猟奇王だのと言われている、ジェネシス・P・オリッジという人物のバンド、サイキックTVに、一時的に在籍していたらしい。どうやらオリッジの始めた新興宗教にハマっていたようで、全身をピアッシングした写真なども、当時の雑誌には公開されていたんだそう。オリッジの恋人だという噂も、当時はあったようだ。

その後、現在のBeeという名前で、いくつかのバンドを渡り歩いたあと、十数年前にバンコクに渡り、DJとしての活動を開始し、現在に至っているようだ。

その紆余曲折ぶりを知ってしまうと、ますますFutonを応援したくなってきた。


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2005.10.16 Top↑
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