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以下のURLは、1月11日付のGay.comの記事。

Gay music label, radio show unveiled
http://www.gay.com/news/article.html?2006/01/11/5

この記事は、アメリカの最大手レーベル、ソニー・ミュージックが、ゲイとレズビアンのアーティストをメインに据えた新レーベルを立ち上げる、というもの。

全文を翻訳したので、それを以下に掲載する。






Gay music label, radio show unveiled
Larry Buhl, PlanetOut Network
published Wednesday, January 11, 2006

ゲイのケーブルTVネットワークに始まり、音楽産業は今また新しい計画に乗り出している。ソニーが、ゲイとレズビアンのアーティストをメインに据えた新しい音楽部門の立ち上げを発表したのだ。

ミュージック・ウィズ・ア・ツイストという名のレーベル内レーベルは、MTVネットワークのロゴ・チャンネルを立ち上げた、マット・ファーバーの主宰する、ウィルダネス・メディア・アンド・エンタテインメントとの合弁事業である。ロゴとは、アメリカのゲイ・ケーブル・ネットワークである。

ミュージック・ウィズ・ア・ツイストは、ロゴLGBTネットワークとは異なり、オープンリー・ゲイのアーティストたちを擁しているからといって、「ゲイ的な内容」のものを追求していくわけではない、とソニーは説明した。ファーバーによると、オーディエンスがゲイとして表に出てくるようになるか、それとも排他的なままでいるのかは、二次的に捉えているという。「ロックからヒップ・ホップ、カントリーまで、ジャンルはどんなものでもあり得ます。」と彼はGay.comに語った。

同社は、ゲイとストレートのアーティストを共にフィーチャーしたコンピレーション・アルバムのシリーズも出す予定である。

ファーバーは、必ずしもLGBT的な内容にはこだわらずに、新しいLGBTの才能を見つけ、育てようとしている。それによって最も大きな恩恵を受けるのは、性的指向を隠さずにキャリアを築こうとしているアーティストたちのほうなのである。

「アーティストにとっては、彼らのアイデンティティや性的指向を、ペルソナの一部として受け入れるレーベルがあるということが、助けになるんです。」とファーバーは言う。

「加えて、彼らはキャリアの構築に、メジャー・レーベルの影響力と資本を利用できるんですからね。」

コロンビア・レコード・グループやエピック・レコード、ソニー・ナッシュヴィルやソニー・アーバン・ミュージックといったソニーの企業が、ツイストのアーティストたちの販売元となる。

今のところ、契約アーティストはまだいないが、ファーバーによると、可能性のあるミュージシャンたちを、スカウトが活発に探しているところだという。

ソニーとの協同に加え、ウィルダネスは、全国放送のラジオ・ショウ、『ラジオ・ウィズ・ア・ツイスト』の開始を予定している。LGBTのリスナーと、ゲイ・アジェイセント(ゲイの友人や家族を指してファーバーが用いている用語)がターゲットだ。ショウは2時間。今週末にスタートし、音楽やセレブのインタヴュー、エンタテインメント・リポートやニュース、恋愛やライフスタイルへの提言などをフィーチャーする。今のところ、9つの主要都市の放送局とAOLラジオが、ショウを放送する。最新のリストは、radiowithatwist.comで参照可能。

ファーバーによると、ラジオ・ショウと音楽レーベルが、LGBTメディア・ブランド創造の、最新ステップなのだという。

「時は来たれり、ですね」と彼は言う。「1970年代を振り返ってみると、TVのネットワークは、まず最初に、アフリカン・アメリカンのオーディエンスに手を伸ばしたんです。そうしたショウが、他の人種にもアピールした。今ではヒップ・ホップは主流になって、我々はヒスパニックの(エンタテインメント分野の)マーケティングをずっと調べてきました。ゲイとレズビアンは、最後の未開拓市場なんです。」


本文中にある『ラジオ・ウィズ・ア・ツイスト』の公式サイトのURLは、以下のとおり。
http://www.radiowithatwist.com/home/

ラジオ・ウィズ・ア・ツイストのロゴ・マーク
『ラジオ・ウィズ・ア・ツイスト』のロゴ・マーク


『ラジオ・ウィズ・ア・ツイスト』の公式サイトを見ると、ミュージック・ウィズ・ア・ツイストのサイトのバナーも掲載されている。しかし、まだ契約アーティストがいないためだろうか、現時点では公開は始まっていない。



ゲイのアーティストが多く所属しているレーベルとしては、Centaur Musicなどがある。しかし、今回の新レーベル、ミュージック・ウィズ・ア・ツイストは、それらのレーベルとは全く背景が異なる。

Centaur Musicのようなレーベルの場合、扱っている音楽のジャンルは、クラブ・ミュージックに特化されている。そして、クラブ・カルチャーとゲイ・カルチャーは密接な関係にあるため、それらのレーベルは、自然ゲイ・カルチャーとも結びついてくるし、ゲイの所属アーティストも自然増えてくる。

つまり、それらのレーベルは、最初からゲイやビアンのアーティストをフィーチャーすることが目的だったわけではないのだ。

ミュージック・ウィズ・ア・ツイストの場合、Gay.comの記事の本文中でファーバーが語っているように、取り扱うジャンルは、ロックからヒップ・ホップ、カントリーまで、多岐に渡る予定だ。

ミュージック・ウィズ・ア・ツイストが、ゲイのアーティストの多く所属する既存のレーベルと異なっているのは、まさにその点にある。

ジャンルが先ずありきの結果としてではなく、最初から性的指向に焦点を合わせ、アーティストを集めていく。

それこそが、ミュージック・ウィズ・ア・ツイストの、既存と異なる点だ。



そして、「ゲイ的な内容」を追求していくわけではないとしているのも、同じような理由からだろう。

「ゲイ的な内容」(原文ではgay contents)を追求するわけではないというのは、ゲイに関するトピックを扱わない、という意味ではないだろう。

おそらくは、いわゆるゲイ・テイスト、つまり、よくある意味でのゲイっぽさにはこだわらない、という意味に取るべきだ。

ゲイ・ミュージックといえばダンス・ミュージック、という先入観は、他ならぬゲイの当事者のあいだでも、一般的だ。だからこそ、「ゲイっぽさ」に焦点を当ててしまうと、おのずとジャンルが限定されてしまい、それ以外のジャンルに携わるゲイ・アーティストが、排除されかねない。

だからこそ、LGBTのアーティストの幅広い発掘が目的なら、ジャンルを限定してはいけないし、「ゲイ的な内容」にもこだわってはいけない。

以前にも少し書いたことがあるが、いわゆるゲイ・テイストというのは、ゲイ・コミュニティ内にあるアートの指向性の、最大公約数でしかない。

ということは、そこには属していないゲイだって、当然のことながらいるのである。

「ゲイ的な内容」にこだわらないという姿勢は、ゲイらしさを放棄するということでは決してなく、ゲイ・コミュニティの多様性を形にしていこうという姿勢の表れだと、自分は理解している。



それから、以前、米良美一のカミングアウトについて書いたエントリーの中でも少し触れたことだが、ゲイのアーティストのカミングアウトを難しくしている要因は、同性愛への社会の理解の有無も大きな要因ではあるのだが、それよりもっと大きな要因は、それを報じるマス・メディアに、同性愛への理解があるのかどうかだと思う。

まず何よりもメディアの側が、一般社会よりも先に同性愛への理解を示さなければ、大衆の意識は、いつまで経っても変わらないと思うのだ。

なぜなら、大衆の意識は、マスメディアの報道の仕方によって大きく左右されてしまうからだ。

本当はそうであってはいけないはずなのだが、そうなってしまっているのが現実だ。

ならば、記事の中にある、「オーディエンスがゲイとして表に出てくるようになるか、それとも排他的なままでいるのかは、二次的に捉えている」というファーバーの判断は、たぶん正しい。

どういうことかというと、まずメディアの側がオープンリー・ゲイのアーティストが登場しやすい環境を設定し、そこから多くのオープンリー・ゲイのアーティストが登場してくるようになれば、ゲイは当たり前の存在になっていく可能性があるし、一般のゲイの人々も、表に出やすいようになってくるのではないか。

ミュージック・ウィズ・ア・ツイストが、あくまでもアーティスト本位であるのは、それを期待してのものだと思う。

つまり、一般のゲイの人々の啓蒙を直接の目的とするよりも、そうした人々により強い影響力をもつオープンリー・ゲイのアーティストが多く登場しやすい道を整えることによって、結果としての人々の啓蒙を、ミュージック・ウィズ・ア・ツイストは二次的に期待しているのだ。

大衆の意識の中から偏見を取り除くためには、まずメディアが内側から変わらなければいけない。

ミュージック・ウィズ・ア・ツイストの設立が、その変化の一つになってくれればいいと思う。



そして、こうした事業に、業界最大手のメジャー・レーベル、ソニーが乗り出したというのだから、これは日本に暮らすLGBTミュージック・ファンの自分にも、非常にありがたいニュースだ。

というのも、発売元がメジャーのソニーであれば、ミュージック・ウィズ・ア・ツイストと契約したアーティストのCDは、ひょっとしたら日本のソニーを通じて、国内盤が発売されるかもしれないからだ。

アメリカのオープンリー・ゲイ・アーティストの作品は、日本では入手しにくい。というのも、アメリカのメジャー・レーベルは、所属アーティストが性的指向をオープンにするのを嫌うため、アメリカのオープンリー・ゲイ・アーティストの多くは、インディー・レーベルから作品を発表しているからだ。ゆえに、国内盤の発売は期待できないし、輸入盤の取り扱いも少ない。

しかし、日本にも販売ルートを持つメジャーのソニーが、オープンリー・ゲイ・アーティストの発掘に乗り出したのであれば、これからは日本でも、アメリカのオープンリー・ゲイ・アーティストのCDが、容易に入手できるようになるかもしれない。

そうした点からも、ミュージック・ウィズ・ア・ツイストの動向には、これからも注目していきたい。



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2006.01.16 Top↑
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