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発掘されたゲイ・カウボーイのラヴ・ソング

今話題のゲイ映画といえば、やはり『ブロークバック・マウンテン』。

米ゴールデン・グローブ賞で最優秀映画作品賞と最優秀監督賞を含む4部門を受賞。そして米アカデミー賞でも8部門にノミネートされています(発表は3月5日)。

その『ブロークバック・マウンテン』のサントラ盤は、昨年の11月にアメリカでリリースされています。






『ブロークバック・マウンテン』サントラ盤ジャケット
『ブロークバック・マウンテン』サントラ盤ジャケット


1月3日のエントリーで紹介したゲイ映画『OpenCam』のサントラ盤は、インディーズのオープンリー・ゲイ・アーティストの楽曲が多く集められていました。

一方、この『ブロークバック・マウンテン』のサントラは、参加アーティストの性的指向には、特にこだわっていません。ルーファス・ウェインライトの参加はあるものの、ここで重視されているのは、あくまでも本編の内容と雰囲気(それこそがサントラの本来の在り方なんですけどね)。インストゥルメンタルと、歌モノのフォークやカントリー、ブルーグラスが併録されています。

本編のエンディングに使用されているナンバー、「He Was a Friend of Mine」は、カントリーの大御所、ウィリー・ネルソンによる、ボブ・ディランのカヴァーです。

ウィリー・ネルソン
お下げ髪が、なぜか物凄くアメリカを感じさせるウィリー・ネルソン。


この曲は、もともとは友情をテーマにして書かれたものなんだろうとは思います。

が、この曲が『ブロークバック・マウンテン』の中で使われると、この中で歌われている、

「Every time I think of him / I can't help from crying,」

という歌詞は、全く異なった文脈へと変化します。



既存の楽曲に、ゲイのラヴ・ソングとしての新たな文脈を与えたウィリー・ネルソンが、また新しくゲイのカウボーイ・ソングをリリースしたというニュースが、2月15日付でGay.comに掲載されました。

その記事の全文翻訳を、以下に掲載します。

Willie Nelson releases gay cowboy song
Gay.com U.K.
published Wednesday, February 15, 2006

カントリー・ミュージック・シンガー、ウィリー・ネルソンが、「Cowboys Are Frequently, Secretly (Fond of Each Other)」という新曲をリリースした。

ウィリー・ネルソンは、ヴァレンタイン・デーに、ハワード・スターンのラジオ・ショウで、テキサス生まれのミュージシャン/ソングライターのネッド・サブレットが1981年に書いた歌の正しい解釈を初披露した。現在はiTunesでダウンロードが可能となっている。

先行した『ブロークバック・マウンテン』は高い評価を集め、ゲイのカウボーイの魅力を大きく広めているが、この曲では、「それこそが、レザーとリーヴァイスと、きつく締めたベルトの理由」「夜には、女よりも女らしいカウボーイが大勢いる」といった歌詞がフィーチャーされている。

サブレットによると、この曲は、“都会のカウボーイ”に夢中になっているときに書いた、ということだ。

「この歌は、20年間、クロゼットに仕舞われていたんだ。」ダラス・モーニング・ニュースは、ネルソンの言葉を引用した。「そろそろ表に出すべき時だ。私はドアを開けたに過ぎない。」

ネルソンは、彼の解釈による「He Was A Friend Of Mine」を、『ブロークバック・マウンテン』のサウンドトラックに提供している。


原文はこちら



ウィリー・ネルソン本人は、たぶんゲイではないと思うんですが、彼はおそらく、極めて保守的なアメリカ中西部の文化が、ある一定の男たちを抑圧しているのだということを、ちゃんと理解していた人なんだと思います。




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コメント

都会のカウボーイ

初めまして。いつも興味深く拝見させていただいてます。こういうサイトは他にないので、すごく勉強になります。
ところえ潜熱ながら、気づいたことがあるのでちょっと書き込み失礼します。

今回のウィリー・ネルソンの記事で、翻訳にある「都会のカウボーイ」というのは、1980年に公開されて全米で人気を呼んだ、ジョン・トラボルタ主演の「Urban Cowboy」という映画のことです。

そのブームのときに思いついて出来上がった歌だということだと思います。
ご参考までに。

(でも、He Was A Friend Of Mineって滲みますねえ。オスカーにどうしてノミネートされなかったんだろう。残念。ネルソンおじさん、すっごく優しい人ですよね)

レスです。

>さくさん

こちらこそ初めまして。(^^
ジョン・トラボルタの「Urban Cowboy」のことは知りませんでした。ご指摘ありがとうございます。
歌詞の中に出てくるカウボーイたちは、ずいぶん艶かしく描かれているので、ゲイ・クラブでカウボーイの衣装を着て踊っている男たちのことを歌っているんだとは思うんですが、インスピレーションの源となった映画が存在しているとは思いませんでした。

「He Was a Friend Of Mine」は、確かにオスカーの主題歌賞にノミネートされてもおかしくない出来栄えですよね。大仰に盛り上がるのではなく、心に染み入る感じで、本当に泣ける曲です。たぶん、ゲイ・ミュージックの新しいスタンダードになるでしょうね。


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